約50本振りの邦画で様々心配していたが、相互理解の話だと気づいてからはずっと眼に涙を溜めていた気がする。
序盤のモノローグや《◯年後》といった日本映画にありがちな説明的な部分を目にした際は、少し不安になってしまったが徐々に評価を上げていき最終的には4.5といった数字に落ち着いた。
男性主人公と仕事や境遇、抱えているものに重なるものが非常に多く、自分ごととして見ることが出来たのも大きい。
祈る手には嘘が多いけれど、だからこそ真の祈りは美しいのだと気づくことが出来た。
映像に関してはフィルム特有の淡さもありつつ、明暗にパキッと差異が現れている点が印象的。元の同僚がレストラン前で山添に電話を掛けるシーンのカットは目を見張る所があった。
ただ無理に良い構図で撮ろうとしていない部分も非常に高評価。