コーディー

夜明けのすべてのコーディーのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.2
ずっと側にいてくれなくても、その瞬間の気遣いでこんなにも心が軽くなる。そんな距離と時間の流れ、必ず明ける夜に気付かせてくれる光の温かさ…
制御不能な症状の深刻さを描きながらも生き辛さより〝できること〟で関わり合える世界を信じたくなる優しい映画でした。

誰にも解ってもらえない。と拒絶しても、察して一緒に考えてくれる誰かがいると独りよりまだ良い気がする…
完璧ではないけど悪くないと思える日々の積み重ね、誰かに髪を切ってもらうのはどうかわからないけどw些細な変化に支えられ、克服よりも新しい景色に出会う優しい視点がじんわりと沁みてきた。

藤沢さんと山添くんのサッパリしながらも互いを気に掛ける距離感が温かく可笑しく、そこに余計なものは何もなく夜明け前のこの時間をただ大事にしている様子が伝わるし、在るがままを演じる上白石萌音&松村北斗が良過ぎた!
そして二人が勤める栗田化学の社長や社員さんのさりげない気配りも素敵でした。

と、優しい人しか出てこない世界なので多少ファンタジー感もあったけど、だいたいこんな話でしょ?な、あらすじやストーリーだけでは伝わらない微妙なニュアンスを存分に楽しめる映画だったし、そういう意味でも自分の表面的な想定なんてアテにならんな〜って思い知らされたw