このレビューはネタバレを含みます
冒頭から猛烈なモノローグで面くらいましたが、この症状を映像だけで説明するのは難しいだろうし、受け手に勘違いさせてはいけない部分なのでこれは必要だったんだろうなと。PMSという言葉、自分は初めて知りました。
主演の2人以外にも登場人物の多くが大なり小なり問題を抱えていて、あくまでそういう社会全体の中の個別の例として彼等が取り上げられている、そういう描き方に見えます。
もっと言えば山添くんはさすがに塩対応が過ぎるし、藤沢さんは明らかにバグった距離感でグイグイ来るし、名前の付いた障害を出すまでも無く人間おかしな所は山ほどあるじゃないかと。
みんなが問題を抱えているとするならばもうそれは特別な事でもなんでもなくなるわけで、それならもっと自然に肩肘張らずに歩み寄る事も出来るはず。
その具体的なやり方を、細かい人物描写の積み重ねでリアルに実践してみせる様なそんなお話だった気がします。
誰にも等しく夜が訪れそして明ける。30年前の先輩が残した手記が読まれた時、それまでの彼等の話とどう関係しているのかはよく分かりませんでしたが、なぜかこみ上げてくるものがありました。