あいこ

夜明けのすべてのあいこのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.0
陳腐で安易な生きづらさよしよし系作品かと考えていた(ほんとうに最低)わたしが間違っていたなと鑑賞中何度も繰り返し反省した、すみませんでした
三宅監督の前作「ケイコ 目を澄ませて」でも感じたのだけれど、フィルムの少しざらついていて柔らかい質感と、それを通して映し出される光の描写が美しいなと改めて
頬をすべりすべてを透かし、とじた瞼をふちどるまつ毛などあらゆるものを発光させる陽の光、夜をすべる車窓や闇に浮かぶ街灯、そして見上げればいつも佇んでいる星の光。それぞれの光の眩しさそして鮮やかさが忘れられない
あなたに会って救われたなんていう劇的ドラマチックなストーリーではなく、通り過ぎる日々のなか、触れ合う心と振り合う手のぬくもりが少しずつ心を上向かせ、ほんの少しの光を灯すといった展開なのがよかったな
周りの人たちのあたたかさ優しさに何度も涙がでた、おとぎ話でなく本当にこういう人たちって居るよねという解像度で存在してくれたからこそ、わたしでも素直に受け止められる作品になっているのかなと感じたり
わたしのものの見方と価値観がいかに屈折しているかを改めて思い知らされて苦しかった、こういう作品をまっすぐまなざし素直に受け止めることの出来る人でありたいと切に思う
あいこ

あいこ