スーザファット

夜明けのすべてのスーザファットのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

PMSもパニック障害も身近には感じていなかったけど、この作品を通して少しだけでも知見を得ることができたと思う。そしてそれがこの作品がきっかけで本当に良かったという思いが日々を重ねるごとにじんわり強まっていく。


始まりから終わりまで、作品の空気が絶妙な温度感で心地良かった。
心の病気という繊細な題材だけど悲劇的に描かず、人と人、自分と心、社会との関わり。
あくまでも日常の延長のように自然と描くことでそれに直面する等身大の絶望も、うまく付き合っていくことへの寄り添うような確かな歩みもすんなりと馴染むように心に入ってきた。
だからこそ後半のプラネタリウムのシーンでは、ナレーションの言葉を聴いていくにつれて自然にぽろぽろと眼から色々溢れてしまった。
繊細な問題を取り上げるからって、悲劇的じゃなくていい。必ず救われるってわけじゃなくてもいい。全部はできないかもしれないけど、うまく付き合う方法と生き方を僕達はもう知っている。
その姿勢やメッセージが、どれだけ温かいものなのか。この作品は教えてくれる。

終始静かで緩やかだけど、とてつもない力強さで包んでくれるようなかけがえのない時間でした。


主演の二人とも素晴らしかった🙌
そしてさすがの光石研🥹
栗田科学のみんなも山添の上司の方も全員良かったな〜…
というか栗田科学が良い職場過ぎた。
ああいう風に自然と対応してくれたり深くは入り込まずにいてくれたり、きっと社長はじめ他のみんなにも色々な出来事が今までの環境であったからこそなんだろうなっていうのが感じ取れる。
のくせにインタビューで栗田科学の良いところ聞かれて結局駅から遠いって言っちゃうあたり、そういうとこだぞおい🥲🫶

素敵な人達。
エンディングが何気ない昼休憩の一幕なのもこの作品の温かさを集約してるようで好き。

たまたま時間が合って観た作品だけど、思いがけず心に刺さった時間でした😌