ぽかぽか

夜明けのすべてのぽかぽかのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.0
前半では主人公の2人の発作やヒステリーがいつ起こるか分からないという特性が映画に緊張をもたらしていたのだけど後半ではめっきりそれが無くなり弛緩した状態が長く続いてつまらなかった。明確な正しさが存在していて、それに閉じこもってしまう不自由さが厳しい(贈与と返礼の互酬性で一方向的に支配された世界。暴力は許されない)。障害という感傷にいきやすい題材をここまで明るく軽く処理できるのはさすがだが…。こんな全方位に配慮を払った間口の広い映画を観るとなぜ青山真治はあんなにも横暴な映画を撮り続けられたのか不思議だ。映画の話をするときに固有名詞とかタイトルを出さないのとか甘いなと思ってしまう。精神が利他的すぎる。

(俺たちは映画館に癒しや優しさを求めていくのか?そんなの現実世界に腐るほどあるんじゃないか?)
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