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夜明けのすべてのhabakariのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.0
だいぶ前に観た。三宅の映画を咀嚼するのが苦手だ。
菓子の差し入れや見舞いの品の往還、自転車の緩やかな旋回、天体の自転・公転。雨中に娘を迎えにいく母→狐雨の下母を見送る娘の変奏。円環のモチーフと、確実に存在する終わり。焼き切れる星、上白石の決断、グラブから溢れる球。
プラネタリウムでの朗読のシーン、表情が見えないほどの暗さが良い。おぼろげな身体の揺れと、研ぎ澄まされた声の振動。誰しもが経験のある、暗闇への順応の手ざわり。
夜明けと言いながら、『ケイコ 目を澄ませて』のような強力な夜のショットは少ない(歩道橋のカットは素晴らしいが)。そこはもういいでしょ、というような飄々さが好きだ。
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