Kyle

夜明けのすべてのKyleのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

2024/04/13

後で編集するかもしれないけれど、なんだか勢いのままに綴ってしまったものをそのまま伝えてみたくなったので、とりあえず残して置く。

PMSに悩まされる女性とパニック障害の男性。二人とも健康な20代で、働き盛りにも関わらず、自分ではどうしようもできないものを抱えて、満足に仕事をすることはおろか、生きるのに精一杯。

そんな二人が互いを知りながら、助け合うことで、少しずつ自分自身を知り好転していく。

比較することじゃないし、彼らの状況や抱えているものは僕のものとは全然違っているけれど、なんだか何処か重ねてしまわずにはいられないくらい共感してしまえることや、思い出すこと、考えることがたくさんあった。

主演の2人のことは名前くらいしか知らなくて、それ以上知ろうとする程の興味も殆どなかったけれど、映画を観ながら、ひたすらに淡々と丁寧に存在している彼らを観るうちに「なんて素敵な人たちなんだろう…」と思わざるを得なかった。

なんだか言葉にしたくて、感動したことはたくさんあるのに、何をどこからどうしたら良いのか分からなくて、お金もないのに勢いのまま原作小説を買った。

帰ってきて手を洗ってすぐ寝ようとしてたのに、台所でちょっとだけ、と表紙を開いてページを捲ると止められなくなってしまって、結局最後まで読んでしまったし、思いの外時間は経っていてそれこそ夜明け前だった。

こんなに勢いのままに小説を買ってその日のうちに最後まで読むなんて、一体何年ぶりだろう。本当に驚く。それに、小説を読みながらもまた映画を観た時に味わった感動を覚えて、小説を読んで感動をしたのも、本当に久しぶりだ。勢いのあまり、日記まで書いている。

助けることは出来るし、好きになることも出来る。本当に、とてもそうだと思う。別に、誰かを好きにならなくたって良いし、それでも誰かを支えたり思ったりして生きれる。あぁ、どうも上手く言葉に出来ない、もどかしい。とにかく僕は、そんな関係が本当に理想的だし、大好きだ。

いや、そんな関係を誰かと築けたことなんて、恐らく殆どない、ってくらい思い当たる節なんかないけど、でも、なんだろう、やっぱり恋愛的な好意がなくたって人を愛することは出来るんだし、そういう他意のない好意が純粋に嬉しいし、そんなところに人との関わりが素晴らしいことを感じるのに、なぜかそんな瞬間を「ちょっとほっこりする場面」としてしか扱わず、いわゆる恋愛的なものがやっぱりメインに置かれてしまうことの多さになんだか少し残念に感じてしまうというか、寂しいというか、とにかく納得いかない気持ちがあって、苦しい時もたまにある。結局恋愛ありきじゃないと成立しない好意があるなんてことが、僕は嫌なんだ。

人をただその人「個人」としてみること、
そんなふうに人を愛することは出来るんだ。恋人や、ましてや友達じゃなくたって、その人と一緒にいることが楽しいとか、嬉しいとか、そんな気持ちを抱けないことや共有できないことはなんだか悲しいし悔しい。

別にそんな関係じゃなくたって、
僕はその人を好きで居たいよ。
Kyle

Kyle