朔

夜明けのすべての朔のレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.0
すごく、なんでもなくて、よかった。
なんでもないんだよ、みんないろいろあって、当たり前のように、つらかったり、くるしかったり、もちろん、あかるいきもちにだってなるだろう。
その、それぞれの感情の質量も、それらを受け止める器の容量も、人によって、まあ時と場合によったりもして、ちがうことが、おなじこととして、ある。
ぜんぶわかるし、たぶん、ぜんぶわかれてなんていなくて、人生ってそんなものだ、と、思った。
ようするに、人って、何もかもが同じで、何もかもが違くて。それでも、何もかもが関係なく、人は人を助けることが、できる。
やさしさとは、そういうことだろう。
とはいえ、せかいがあまりにもやさしくて、すこし、不安になってしまったりもした。
ここにはいろんなやさしさがあって、それらのやさしさをやさしさとして、みながちゃんとすくいあげている。
やさしさって、あくまで相互のものなのだと思った。当たり前のようで、失念しがちのことだ。
そういう映画。なんでもなくて、すごく、よかった。
ちなみにこれは余談ですが、松村北斗の鼻筋が真っ直ぐ過ぎて、凄い。凄かった。
それと、散髪のシーン、いとおしさが溢れて溺れてしまいそうだった。よかった。
朔