はせ川

ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版のはせ川のレビュー・感想・評価

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初見だけではレビューや感想なんて書けないカルト映画だが…メモ程度に。
倫理観の欠片もない中砂の欲望と変態性、周り3人(4人)が多少なりともそれに惹かれている事に感情移入の余地がなかった。というか、登場人物のそれぞれの胸の内は、夢とかいう曖昧なものではなく、人間の潜在的な狂気あるいは怨念としてねっとりリアルに映っているように思えた。どうして2人は結婚したのかがほぼ見えない青地夫妻、妹の安否より中砂の死にショックを受ける妻、血の繋がらない娘を一心に育てようとする未亡人…超現実な映像表現より、それぞれの感情の動きが不可解なのが怖かった。振り返ると、これは戦中戦後をムードを映していたのかもしれない。
繰り返される会話の妙な美しさ(カタカナ言葉はほとんど出てこない)と、古い日本家屋と農村風景にはなぜか惹かれた。
聾者の動きや男女の舌使いに監督は何を見出していたのだろう。
はせ川

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