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ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版のlixoのレビュー・感想・評価

3.0
原案小説の世界観が、独特なカット割りとあべこべな感情を混ぜた演技、また配役や映像と音響的な演出で増幅されます。
手法として全てが美しいわけでもなく、チープなものもあれば、裸で目を惹く思惑のシーンもあります。技術的な理由もあると思うのですが、だからこそ存外に美しいシーンもあります。

青地のみが、普通の感覚のままに周囲の狂気や超現実に曝されるわけです。それはまるで奔放さに翻弄される童貞の男子のように。

私は彼に感情移入するほかなく、
それがまるで

「この映画がわからないお前は馬鹿だ」

と映画自体に言われているかのよう。
だからなのか、私はこの映画をなんとか理解しようとし、また何かわかったようなことを書きたくなるのかもしれない。

なんかそういうことを思いました。
感覚で観るのもひとつです。
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