鈴木清順監督の「浪漫三部作」を順次鑑賞していきます。
なんとも曖昧模糊とした、鈴木清順ならではの幻想的な映像絵巻に魅了された。
映画ならではの映像表現で見る、昔の絵巻物や仏教説話のような作品だった。
(ちなみに本作の舞台は大正時代)
夢か現か、狐につままれたような体験。
幽玄なる切通しが夢幻の迷路への入口。
語り手である藤田敏八を取り囲む奇妙な人々。
無頼の原田芳雄、
艶かしさ漂う大谷直子、
大楠道代の眼球ディープキスの衝撃!
めくらの門付三人衆、同じく盲目の子供三人組。
死んだ女の股から這い出るカニ、
うなぎの肝の口移し、
てんこ盛りになったちぎりこんにゃく、
腐りかけの水蜜桃。
肩からすべり落ちる着物、白く透き通るような肌、現れる乳房。からの唐突な指パッチン!切り替わるカット。
「あなた、私の骨が好きなんでしょう?」
「腐りかけがいいのよ。何でも腐っている時が、一番旨いのさ」
「骸骨だよ。人間、一番美しいのは余分な肉と皮を削ぎ落とした骨だと僕は思うんだ」