熊犬

死霊館のシスター 呪いの秘密の熊犬のレビュー・感想・評価

3.6
【ヴァラクとヤギが自由に大暴れ】

原題:The Nun II

死霊館シリーズの一つにして、"死霊館のシスター(The Nun)"の続編。
前作で描かれたルーマニアの修道院の惨劇から数年。フランスにて、ある神父が不可解な死を遂げる。そしてそれに続くように、ヨーロッパの各地で同様に神父の怪死事件が発生する。
シスター・ヴァラクの再来を確信した教会は、ルーマニアの生き残りであるシスター・アイリーンに真相究明を命じる。勝手に旅に付いてきてしまった問題児、見習いシスターのデブラと共に真相を探るうち、アイリーンは思わぬ真実にたどり着く…
…な映画。

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前作に続き、今作もジャンプスケアがメインのホラーエンターテインメント。
但し、それをこの時代を舞台として、この宗教感で描くからこそ出てくるこの映画特有の芸術性が、この作品の味ですかね。
唯一無二とまでは言わないですが、このレベルで体現している映画は他には無いとは思う。
街に出た事で前作よりも閉塞感が減り、代わりに描かれている時代の空気感が増した気がする。正しくスケールアップした感じですね。(前作の閉塞感もまたホラーとしては良いのですが、スケールという意味では)

しかし、何だろう…
別に悪い意味ではないのですが、終盤にかけてホラー映画というより、ホラーゲームのプレイ動画を観た感じ…と言えばいいのかな。
終盤から完全にホラーゲームのテイスト。色んな意味で。アイテム使ったりとか。
悪い意味ではないと書いたものの「こういうんじゃない…」って思う人もいるにはいそう。

そしてこれはちょっとだけ悪い意味で書くけど、最後はたたみ切れなくなった風呂敷を無理やり丸め込んだ感じ。風呂敷をクシャッと丸めた。
えらい力業で来たな。

とはいえ、長く続くシリーズというか、何作も出ているユニバースの作品だけあって、今後の世界観の更なる広がりを見せてくれて、なんだかんだワクワクする楽しみを提供してくれる映画。

あと、宣伝とかで出てる雑誌グラビアのヴァラクちゃんシーンは良すぎる。ヴァラク、登場における遊び心が分かってる。とてもクリエイティブな悪魔。

超余談ですが、ユニバースって言葉が全然似合わないよね。
雰囲気的にユニバースって感じではないでしょうに…死霊館ユニバースって初めて聞いたとき嘘だと思ったわ。

■本日のビール『Grand Cru』
醸造所: De Molen (オランダ)
オランダのデモ―レン醸造所。オランダのクラフトビールを常にリードして来た醸造所が得意とするのは、バレルエイジ(樽熟成)を施したビール。その中から、ボルドーの赤ワイン樽で熟成したヴァイツェンボックビール。
見た目は深い赤みがかかり、度数は10%。まさに赤ワインとビールの融合の様なビール。意外にもライトな味わいながら、赤ワインのタンニンとヴァイツェンボックの甘みが互いに味を補い合い一つの完成されたビールに。
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