幽斎

死霊館のシスター 呪いの秘密の幽斎のレビュー・感想・評価

4.0
恒例のシリーズ時系列、初心者の為の年代順
1952年 4.0 The Nun 死霊館のシスター、レビュー済
1956年 4.0 The Nun 2 死霊館のシスター 呪いの秘密、本作
1958年 3.4 Annabelle: Creation アナベル 死霊人形の誕生
1970年 3.6 Annabelle アナベル 死霊館の人形
1971年 4.6 The Conjuring 死霊館
1972年 4.0 Annabelle Comes Home アナベル 死霊博物館、レビュー済
1973年 3.8 The Curse of La Llorona ラ・ヨローナ〜泣く女、レビュー済
1977年 4.4 The Conjuring 2 死霊館 エンフィールド事件
1981年 4.2 The Conjuring: The Devil Made Me Do It 死霊館 悪魔のせいなら、無罪。
、レビュー済
198X年? The Conjuring: Last Rites 死霊館 第4彈

私はEXクリスチャンですが、シリーズの起源「死霊館のシスター」続編。1956年フランスで起こった神父殺人事件を手始めに世界中に悪の影が蔓延。アイリーンは再びシスター・ヴァラクの邪悪な呪いを感じ始める。Tジョイ京都で鑑賞。

「死霊館」「アナベル(ラ・ヨローナ)」「シスター」3つの物語をインクルージョンするConjuringは世界初のホラー・ユニバース、私の生涯1位作品「SAW」James Wanが制作する稀有なフランチャイズ。秀逸なのはシリーズを何処からカジっても美味しいGODIVAのトリュフの味わい。本作も初見殺しの問題は見事にクリアしてる。

原題「The Nun 2」修道女は盛式誓願を立て祈りと観想の生活を送る人。Sisterは単式誓願を立て祈りや慈善事業に生きる人。正しくは「死霊館の修道女」ワーナー・ブラザースってホント日本をナメてるね。シスターと修道女は共にカトリック、男性なら神父。プロテスタントは牧師、男女の区別は無い。Marilyn Manson似のヴァラク。死霊館クイーン、Vera Farmiga 50歳の21歳年下のTaissa Farmiga。姉妹揃ってウクライナ難民。シリーズの特長は美術プロダクション、Wanの非VFXを踏まえ、前作がルーマニアの教会、本作がフランスの廃墟修道院。セットと違う絵面の説得力が古風なゴシックに黒い花を添える。

狭くて暗い建物(安易にライトは使えない)シリーズ初のアナモルフィック撮影で「闇」の深さが濃厚。扉を開けた「ギィッー」音の先に有るモノを観客にプレリュードとして伝える。ヴァラクは反対に子供騙し「いないいないばあっ!」古典で勝負。歌舞伎の様に「来るゾ、来るゾ、来たぁ~!」様式美を味わう故に意外と怖さを追求しない。女性も安心して誘えるので本当は私が横に座って解説したい(笑)。インディ・ジョーンズ的な雰囲気も有り、主人公が聖職者でヒロインと言うホラー映画は初めてかも。

ゴシック、オカルト、幽霊屋敷「ホラーの幕の内弁当」を上手くコンジャリングしてる。

【ネタバレ】物語の核心に触れる考察へ移ります。自己責任でご覧下さい【閲覧注意!】

「聖ルチア」キリスト教の殉教者。ルーテル教会、聖公会、カトリック教会、正教会の守護聖人。アイリーンが火炙りの刑を免れるのも聖ルチアの子孫。効かないので「目」を奪われた。子孫のアイリーンは実の母親と同じ目、先祖から代々引き継いでる。ヴァラクも天使だが、所業の悪さから神に追放され眼も捥ぎ取られた。ヴァラクは聖遺物の目を手に入れ、昔の力を取り戻す。目を手に入れた時、黒から黄色に変わった点に括目せよ。

エンドロール「死霊館 エンフィールド事件」ヴァラクはフレンチーことモーリスに獲り憑いて、アイリーンで仕留められなかった事を暗示。ヴァラクを撃退した「ワイン」。前作でキリストの血は消えたが、ワインをキリストの血に奇跡的に蘇らせた。なんだ、運かよと言われそうですが(笑)。最後の晩餐でイエスはワインの入った杯を取り「私の血である」と言って弟子に与えた事から、最後まで神の奇跡を信じたので救われた。

ヴァラクには「死霊館 エンフィールド事件」へそ曲がり男の様な下僕が居る。「異形の山羊」何処かで見た事有りません?。「アナベル 死霊博物館」=悪魔の山羊と解釈すれば「アナベル 死霊人形の誕生」ヴァラクの下僕と言う、Wanらしい見事な伏線回収を見せたが、お気付きでしたか?(ドヤ顔(笑)。モーリスはエクソシストすら連れ戻す事は出来ず、妻を撃ち(傷を負わせたのみ)自殺。本作のラストはアイリーンが妻に成るかもしれないケイトとソフィーが去っていく時、とても不安な表情を見せ幕を閉じる。ヴァラクの支配が終わって無い暗示でアイリーンとの関係も続くと思われる。

ソフィーが放棄された礼拝堂のドアを開けると、ヴァラクが廊下に立ってる。廃墟とは思えない綺麗さで「死霊館 エンフィールド事件」エドとロレインの家の廊下に娘ジュディが居た。ヴァラクが見た先にはソフィーが居たのだ。劇場で気付いた人は殆ど居ないでしょ(ドヤ顔2(笑)。前作のラストでモーリスは父親の跡を継いでトマト農家をやりたい。本作でアイリーンはトマトの種の袋を渡し実を結んでいた。本作はホラーに分類されるだろうが、隅々まで完璧なスリラーと言う2つの顔を持つ。製作中「The Conjuring: Last Rites」死霊館4でTaissa Farmiga、Patrick Wilson、Vera Farmigaの3人が初めて顔を合わせる。何がドウ繋がるのかWanとの真剣勝負も楽しみだ。

【以下、女子禁制。私の品位が下がる可能性が有るので(笑)】

アメリカで公開された時「The NunⅡ」レイアウトが話題に、NUNのNが鏡文字で、反転する意味は神に仕える聖職者の逆様、シスター・ヴァラクを表そうとしてる。問題はⅡがUの中に入る。コレが女性がM字開脚してる様に見えるとⅡが外陰部に見える。ヴァラクの神への冒涜を表してるが、批判を受け公式から削除されⅡの位置も変更へ(笑)。
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