なお

AIR/エアのなおのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
4.4
I have a dream.

自分は別にスニーカー収集家というワケではないけれど、スニーカーはナイキのものしか買わない、と決めているほどナイキというブランドに惚れ込んでいる。

2017年、本作にも登場するナイキCEOのフィル・ナイトが著した自伝「SHOE DOG」を読んで、ナイキ創立までのストーリーやそのスピリットに感銘を受けたからだ。

靴にすべてを。
ナイキを代表するスニーカーのブランド「エア・ジョーダン」誕生までの知られざる経緯を描いた伝記的映画。

✏️Just Do Itなヤツら
こちらの想像のはるか上を行く軽妙な会話劇と、エア・ジョーダン誕生までのストーリーを1ミリの過不足なく描ききった傑作。

鑑賞前は、どちらかというとハード寄りの作風で、エア・ジョーダン誕生までの話を淡々と描くドキュメンタリー作品かと思っていたが、その予想を良い意味で裏切られた形になった。

まず何より、本作の主人公であるソニー・ヴァッカロを演じたマット・デイモンの演技力とセリフ回しの絶妙さが光る。
ソニーと、マイケルの代理人(名前忘れた)が繰り広げる電話を介した会話劇では、ひさびさに劇場内で声をあげて笑ってしまった。

また、長時間化が顕著になりつつある昨今の映画作品においては珍しい2時間切りということもあるだろうが、それを踏まえたとしてもテンポがめちゃくちゃ良い。

自分が初めてナイキの厚底シューズを履いてランニングに出かけた時のような心地の良いスピード感…といっても恐らく理解は得られないだろうが、とにかく飽きる時間帯が存在せず最後まで集中して物語に没頭することができた。

ナイキの歴史についてそこまで予習が必要ないのもポイント。
基本的な物語の骨子は、業界3位に甘んじていたナイキのバスケットボール部門がいかにしてトップシェアを誇るに至ったか…?を描く物語なので、そこまで身構えなくてもよろしい。

とはいえ、事前知識があった方が本作をより楽しめるのも事実。
作品内に登場する様々なアイテムに「おっ」とした発見をしたければ、前述の著書「SHOE DOG」の購入をオススメする。
(決して出版社の回し者ではない)

当時の80年代カルチャーを彷彿とさせる音楽や映像が時折挟まれる点も、当時を知る方々からすれば思わずニヤリ、としてしまうニクい演出だろう。

☑️まとめ
伝記的映画としてのクオリティもさることながら、鑑賞後は思わずナイキの歴史についてさらに詳しく知りたくなったし、ナイキという企業へのリスペクトをより高めてくれた作品。

これは余談だけれど、自分まだナイキのスニーカーの中でもエア・ジョーダンはまだ持ってないんですよね…
今年中には手に入れたい…

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★★
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★★

🎬2023年鑑賞数:47(19)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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