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AIR/エアのbibooのネタバレレビュー・内容・結末

AIR/エア(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

曲も演出もコッテコテの80年代モチーフで演出のケレン味もたっぷりなので、時代のアトラクションに乗り込んだような気持ちになる。80年代という波の中でブランドを売り出す話だから、当時の情勢や流行とかがセリフ内で畳み掛けるように出てくる。なので、世代の人はめちゃくちゃ熱狂できると思うし、逆にカルチャーの知識がある程度ないと、特に若い世代はなんのこっちゃになるかもしれないと思った。

作品内で描かれているナイキのやり方はかなりギャンブル感あってめちゃくちゃ面白いけど、大衆への目配せを一番に考える今は、参考にしたり糧にできる感じではないかもしれない。スポーツブランドの競合たちの昔の内情や立ち位置は面白い。とはいえ脚本全体を引いてみるとそんなに派手な展開という感じでもない。ギャンブル感のある戦略を睡眠やプライベートを返上しながら進めていく感じは、過去の時代性を省みたときに意外とありえそうというか、想像できそうな感じ。だからこそ、ベン・アフレックの“どうでっしゃろ!”とでも言わんばかりのケレン味たっぷりな演出が生きていて面白みを増幅させる良い効果になっていると思った。ただ、自分の登場シーンで丁寧に尺とってフォーカスしまくってるのはウケた。監督、スポットライトを自分にも強く当てすぎでは(笑)。マット・デイモンの熱いスカウトとジョーダンへのメッセージはすごく心打たれた。
あと、ナイキにはバラエティ豊かなスタッフがいることも、理解があることもわかったんだけど、なぜだか作品全体にすごく白人男性みを感じた。「Born in the U.S.A.」でエンディングに入っていく感じがトランプの思想を彷彿とさせてそう思わせるのだろうか。。知らんけど。。
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