アル華

AIR/エアのアル華のレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
5.0
【ザ王道!最高のロマンドラマだ!】
「アルゴ」のベン・アフレックが盟友マット・デイモンを主演に迎えてメガホンをとり、ナイキの伝説的バスケットシューズ「エア・ジョーダン」の誕生秘話を映画化。
引用 : 映画.com https://eiga.com/amp/movie/99032/

◼︎軽く総評
めちゃくちゃ面白い!
本作の物語は、バスケ部門で苦労するナイキがマイケル・ジョーダンというスターの原石を捕まえるために、危険な一発勝負に挑む…

と驚くほどに単純ですし、お偉いさん方のお仕事風景を撮影しただけの”お仕事ムービー”でもあります😯

それを”映画”としてどう面白くするのか?
個人的にはそれが鑑賞前の懸念点でした。

ですが、始まればすぐ『スカーフェイス』と同じく80年代そのものに引き込まれるかのような選曲と撮影。
そこで描かれる王道な『マイ・インターン』風に生きるモチベを一段階上げてくれる”物語を引き立てる俳優陣の力が、とても魅力的に映した素晴らしい一作に仕上がっていて、めちゃ良き!


◼︎本作が描いたものと見事な俳優力…
本作は、登場人物それぞれが”信頼し合う”物語です。
アマンダ・ウォラーでお馴染みのヴィオラ・デイヴィス演じるマイケルの母は、本作のキーパーソンとして機能しており、最後の1つの条件からも、才能ある息子への全面的な信頼と愛を強く感じる完璧な母親像が描かれていました。

やはりコメディ色の強いクリス・タッカー演じるハワードは、周囲から逸脱した存在の主人公ソニーを最初から最後まで、常に可能性の芽を潰さずに応援する。悔しい時は共に悔やむ。
とても魅力的で「こんな人になれたら」と思わせてくれる人物として、ソニーと信頼し合う関係性が描かれていました。

それはキャスト面でも言えていて、40年以上の親友であるマッド・デイモン&ベン・アフレックが生み出す作品全体の温かさは、互いが信頼し合うこの2人の関係性にしか出来ない芸当で、本作を単なる”お仕事ムービー”からエンタメとしてステップへと昇華させるためのファクターに見事なっていました!


◼︎最近ないね。こーゆー雰囲気あるの…
アメリカのカルチャー味を感じさせる作品は、2020年代になってから少なくなった印象で、ジェンダーやストレス問題を軸にした色濃い人物描写が増えたのかな?と思っています。(違ったら教えてごめんなさい ><

しかし、そこに一石を投じるAmazon発、中規模を題材にした本作は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の撮影監督ロバート・リチャードソンが魅せる”ザ・80年代はこれだ!”感がレトロでお洒落✨

バスケ雑誌1ページめくるだけで「あぁ最高」。
コーヒーを淹れて売店のスナックを盗んで「あぁ最高」。

音楽も王道!
Bruce Springsteenの『Born in the U.S.A.』にのせた終幕までのひと時は変え難い、最高の時間でした!


◼︎結び…
新作が公開予定『スパイダーマン / スパイダーバース』の主人公マイルズ(スパイダーマン)も、本作に登場するAIRジョーダン1を履いています。
これからも、スニーカーを空に羽ばたく
“ヒーロー像”として機能させたナイキの登場人物ら、そしてマイケル・ジョーダン。
本当に全てが偉大な物語だなと感じさせられました✨

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