バートロー

DASHCAM ダッシュカムのバートローのレビュー・感想・評価

DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)
4.5
『ズーム 見えない参加者』でパンデミック下のzoom画面ホラーで脚光を浴びた期待の監督ロブ・サヴェッジのPOVホラー。今回も躍動感のあるカメラワークと冴え渡るピリッとしたホラー演出、そして一筋縄では行かない目まぐるしい80分を駆け抜けていく。それ以上に意外だったのが主人公のアニー・ハーディ。ジャイアント・ドラッグのリードボーカル、ソロのシンガーとして活動する彼女のマルチバースの存在というか、ぶっ飛んだもう1人のアニー・ハーディがコロナ禍で薄暗い世の中で暴れ回る。迷惑配信者が怪異に襲われる系はよく目にするようになったけど、怪異とバトルのは初めて見たし、迷惑度合いは怪異・霊障と同じぐらいという絶妙な塩梅。流行りの共感出来ない(させない)主人公の中でもぶっちぎりで共感出来ないし、近くにすらいたくないのだが、いつの間にかこのクズを応援している自分に気がついてしまった。10秒に一回は差別発言か暴言を吐く怪演とそれもコメディではなくピリッとしたホラーとして成立させる手腕。良い映画だった。