悪魔の毒々クチビル

DASHCAM ダッシュカムの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)
3.0
「離れろ失禁ババア!」

クソバカクズトリプル役満動画配信者が怪しげな老婆をとある住所まで送り届けるお話。


割とフォロワーさん方の間では話題になっていた印象のPOVホラー。
一時期は劇場公開もされていましたが、俺は「ホテル・インフェルノ2」を3~4日掛けて観るくらいには三半規管脆弱マンなので、劇場で観る勇気は無くU-NEXTに来るのをずっと待っておりました。

うーん、あんまり好きじゃないな。

まず思いの外カメラワークがぶれる。そこらのPOV作品よりも多めにぶれるので、スマホで観てもちょっと具合が悪くなりました。
これは主人公のアニーが別に「この出来事を何としてもカメラに収めたい!」みたいなタイプじゃないっていうのもあるかと思うんだけど、
しんどいもんはしんどい。

あとこれまた話題になっていたアニーのクズ具合。何ならホラー演出よりもアニーに触れていた方が多いんじゃないかってくらい、突き抜けたキャラなんだなぁと気になってはいましたが、まぁ一山いくらのクズでしかなかったなと。
いや勿論ゴミカス野郎なんだけど、自作のラップをアホみたいに披露していて早い段階から「韻を踏みたいだけのカス」くらいにしか映らなかったんですよね。
で、俺はラップ系には全く興味ない(ARCHSPIREは例外だけど)んでしつこくドヤ顔でしょうもない下ネタラップばっかかまされて、かなりかったるかったです。
あと意外と友達に気を遣ったり、事故で死なせてしまった相手に普通に謝罪したり遺体にシャツ(デザインはアレだけど)被せたりと、ちょっとだけまともな一面が出てきてそこもイマイチでした。クズまっしぐらでいて欲しかったよ。

因みにアニー役のアニー・ハーディ、本人名義で出演していますが彼女もまたバンドやっていたりソロで活動もしています。
一時期は息子を亡くし、その僅か10ヶ月後に恋人も亡くすという中々壮絶な出来事もあったようで。

じゃあホラー要素はどうなんだって話なんだけど、良くも悪くも平坦でした。
謎の老婆アンジェラの正体とかは面白みがあって良かったんだけど、老婆がやべえ系ホラーもある程度出揃って来ている現状そこまで強烈でもなかったです。
ただ運転中に後ろから猛ダッシュして追い付いてくるシーンは怖い上に何か笑えもして、ここは印象的でした。
首引っこ抜かれたり腕へし折れたりと、多少のゴアシーンはありますが調味料的な役割でしかなくジャンプスケア気味のホラー演出も途中で飽きちゃいました。
終盤も色々あるんだけど、まぁ分かり辛いし呆気ない。

監督が「Zoom/見えない配信者」や「ブギーマン」のロブ・サヴェッジなんだけど、地味に3作全部観ている上に3作ともそこまで好きじゃないっていうね。

まぁハズレが主なPOV界隈の中ではマシな方だと思いますが、個人的にはイマイチでした。
U-NEXTのポイント消費で観たので、期限内に観なければ…!と具合悪くなっても頑張って観た挙げ句こんなもんかい!!と、いつもよりガッカリ落差が激しかったのもあるかもしれないけど。
エンディングのアニーのラップ集で更に追い討ちかけられて死にそうになったので、適当に流し聴きしました。