エレキング

アナログのエレキングのネタバレレビュー・内容・結末

アナログ(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

海外で「キタノは恋愛映画を撮れない」という批評があって『あの夏、いちばん静かな海。』や『Dolls』や『HANA-BI』はどうなんだ?という気もしなくもない訳だけど、北野武監督の『アナログ』を観たかったところ。

『アナログ』は原作も読んだけれども、通常、小説を原作にした場合は小説からシーンや設定を削ることが多いのに対して、『アナログ』は北野武の原作小説がプロットのようで、シーンや設定や登場人物を足して足して映画にしたような印象を受けた。

昭和のような、携帯電話を持たない恋愛というのは、いまの時代に逆に新鮮でもある。

映画は、波瑠の佇まいが凄く情緒があって良い。二宮和也と波瑠のキャスティングはベストだと思う。

確か、原作と違うのはラストで美春みゆきが意識を取り戻すシーン。
ただ、昏睡状態で意識のなかった人が、ある日とつぜん意識を取り戻すのは時々あることで、その場合はいずれも昏睡状態の人に、周囲の人々が日常的に語りかける、ということをしていたケースで、昏睡状態になった美春に水島悟が一年間、話しかけ続けていた。
医学的にみても、美春が意識を取り戻す条件は整っている。

たけしの他の小説も読んだし、『Dolls』もそうだけど、たけしは「愛する人が壊れる」というシチュエーションに惹かれるような印象を受ける。
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