つー

アナログのつーのネタバレレビュー・内容・結末

アナログ(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

駆け引きなしの、真っ直ぐでピュアな純愛ラブストーリー。冬の空気のような澄んだ雰囲気を纏った映画だった。「好きな人に今すぐ会いたい」「好きな人に好きって伝えたい」という気持ちは、観ているこっちの気持ちも浄化させてくれるんだなぁ、と鑑賞後に感じた。

今年に入ってからラーゲリ・VIVANT・ONE DAYでニノを、わたしのお嫁くん・こっち向いてよ向井くんで波瑠ちゃんを見ているけれど、そのどれにも該当しない、この作品でしか味わえない2人だった。ニノが友人たちとあーだこーだ言いながら仕事や恋愛に立ち向かっている様子がなんだかリアルだった。(男性3人組のシーンは意図的に長回ししていることもあり、それを強く感じた。)
波瑠ちゃんは、品があり、お淑やかで、それでいて儚い。お嬢様のような雰囲気がなんだか新鮮だった。

終盤、毎日「会う」「直接話す」ことで、みゆきの心がだんだんほどけていったことを思うと、スマホが普及し話したいことはすぐに話せる環境になったとしても、「会って話す」というアナログな心と心の通わせ方は大切で、失くならないのだなと感じた。話したいことを溜めて、ずっと喋り続けられる関係性。そんな相手に出会えることは、当たり前ではなく運命なのだと、この映画の2人を通して思った。
つー

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