このレビューはネタバレを含みます
明日観る『首』とキタノ映画を並べて風邪ひこうの巻。
予告編は同系統の作品を流すから仕方ないけど、本編前に『あの花が咲く丘で〜』『サイレントラブ』『四月になれば彼女は』流されたら食傷気味にもなりますわ。
港岳彦の作品一覧見ると結構いい脚本家かも。原作ありに強い野木亜紀子タイプ。
たけしこういうの書くのか…。監督・脚本が違う人というのもあるだろうけど、マジで微塵もたけし感がない。事前情報なしだと絶対分からん。笑いの入れ方とか、わざわざ高齢者ドライバーの追突にするところが少し普通の恋愛映画と違うか。
アナログだから、みゆきさんが現れなくても検索して探すみたいにならないし、仮に友達とかが調べてても名前を変えてるからしばらくは行方が分からない二段構えの設定にな抜かりがない感じがして良かった。
マジで登場人物の日常を追うだけ(特に前半)なのに、前半の方が面白いの凄い。後半はまあベタだけどキャストの力と積み重ねがあるので良し。
編集にクセがあり、居酒屋のシーンなど顕著。なんかDVDに傷がついてて一瞬止まるあの感じを時間経過に利用してる感じ。ただ垂れ流すのとは違い時間経過も感じるし、やり取りにキレ出て悪くない。その分みゆきさんのトイレ長ってなってしまってたけど。
めちゃくちゃ気になったのは、最初のインテリアのくだりとクリスマスツリーのくだりで、対象物を映すのが遅すぎる。ずっと2人の顔ばっか。2人がリアクションしてるからはよ見せろと思った。
あとクリスマスツリーのとこでせっかく見ないでって言ったんだから目を閉じさせてみゆきさんから手を繋いで欲しかった。
予想外の事故に遭うなんていうのは王道な悲恋ものだが、たけし初期作から言われている突発的な暴力の要素を含んでいるとも考えられる。
ミハイルはいた、のシーンとかヘイト管理上手い。
桐谷健太がなんかめっちゃ綺麗だった。スーツ姿かっこよ。筒井真理子とか円井わんとか坂井真紀とか宮川大輔とか、ワンシーンのためのキャストまで豪華すぎんか。
「芝浜やれよ芝浜。フルで」みたいな生感ある会話シーンがお気に入り。やけくそカラオケめちゃくちゃ上手くて面白かった。
エンドロールが音楽だけで、ラストカットの風景のままなのも良かった。
映像：======A
脚本：====C
編集：=====B
俳優：======A
人物：======A
音楽：=======S
音響：=====B
【MVP】水島悟
