【スタンダードとメインテーマ】
(※短編として)
同時上だった「夢見るペドロ」と「いつもうしろに」は、対比のような感じがして、だから、同じレビューにしようと思う。
上映後トークで、誰とは言わないけれどもおじさん(ごめんなさい)2人が、長いこと話してて、それに”郷愁”と言う言葉を何度か連発して、本当は減点したくなった笑 せめてノスタルジーとか、横文字を混ぜたり、要点をまとめて話してくれたらもう少し良かったかもしれないなんて思う。
ところで、作品については、僕は少し違う視点でレビューを書いてみたい。
昔、シンガーソングライターの南佳孝さんが「スタンダード」という曲を歌っていて、それを若い薬師丸ひろ子さんが「メインテーマ」というタイトルに変えてカバーしていた。
恋愛は、若者には”メインテーマ”だけれども、いい大人には”スタンダード”なのだという意味がある。
“捨てても良さそうなのに捨てられないもの(夢見るペドロ)”と”捨ててはいけなかったのに捨ててしまったもの(いつもうしろに)”
こういうものは、僕にとっては、スタンダードだ。
ガチャの入れ物のように捨てても良さそうなのになぜかそのまま取っておこうとするものはある。何か、欲しかったものを運んでくれたような気がするからだろうか。
反面、捨てちゃいけないはずなのに手元にないものもたくさんある。スポーツ大会の賞状はそうだ。多分、恋愛や友情や、子供のころ必死で集めたものの中にもある。それは自分の意思じゃなかったはずのものも。僕は、縄文土器の破片や、仮面ライダーのカードのコレクションを父親に捨てられた。
ただ、こうしたことに若者は漠然とした不安がよぎるんじゃないのか。
変わるべきなのに変わらない自分。
変わるべきじゃないのに変わってしまう自分。
ただ、これは僕が若い頃に抱えていた漠然とした不安でもある。
まあ、ただ、これを郷愁というのであれば、その通りだ。