『ジョイライド:幸せへの道』を観る。ロードムービーセンサー(?)が働きこの映画を。思った通りロードムービーだった。父が盗んだ金を返すべく奪って逃亡した母のいない少年と、赤子を抱えその娘を誰かに手放すべく旅をする女性が出会う。今どきの車によって旅が開始され、のろのろと走るトラクター、そしてポンコツな水色の車へと。現代のロードムービーとしてひとつの正解をこの映画は提供している。擬似的なホームの形成と、母親として目覚めてゆく中年女性。少年はそのイカれた社会の、その円環の成員として仲間入りし、女性もまた乗ろうとしていた飛行機を降りて、その円環の中へと戻ってゆく。社会規範から外れていた登場人物たちが道をゆくことによって、その規範を取り戻してゆくと言う少し変わった仕立てのロードムービー。