Koichi

おまえの罪を自白しろのKoichiのレビュー・感想・評価

おまえの罪を自白しろ(2023年製作の映画)
3.0
真保裕一の同名小説を映画化した作品。
大物政治家の孫娘が誘拐されたことを発端に
国会を揺るがすスキャンダルが
明らかになっていくサスペンス。

中島健人(宇田晄司)主演。
晄司の父である大物政治家を
堤真一(宇田清治郎)が演じている。
また脇を池田エライザ、山崎育三郎、
中島歩、美波、尾野真千子などが固めている。

主人公である晄司は正義感が強く
信念を持つ青年だと言える。
故に父親とも微妙な距離感を保ちながら
政治家秘書として父親に
支えているようにも見える。
誰よりも“ファミリー”の意識が強く、
何があっても家族を守ることを
優先的に考える青年でもある。

一方父親の清治郎は
同じ家族思いではあるが、
どちらかといえば“一族”ファースト的な
ところが見え隠れするが、
真意は違うところにあると言ってもいいが、
ただそれが家族のためなのか、
それとも自分のためなのかは
計り知るところではない様に思える。

今回の事件はそんな父親の清治郎が
政治家として道を誤ったことを
発端としている。
一つ一つ積み上げていった罪が、
雪崩の様に家族を巻き込んでしまった
と言ってもいいだろう。
様々な思いや考えがあることは分かるが、
その行為は決して共感はできない。

この作品に対する勝手なイメージだが、
7:3で構成された作品の様に思える。
ストーリーは一貫しているのだが、
終盤近くで急転調の様に感じた。
決して悪いわけではないが、
唐突すぎる様に思ってしまう。
ただもしかすると“真相”とは
そいうものなのかもしれない。

様々な出来事を通して、
あのラストシーンを見ると
失われた信用が少しだが、
取り戻せたのではないか
と感じることができる。
そんな一筋の光が
見えた瞬間のように感じる。
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