ハル

おまえの罪を自白しろのハルのレビュー・感想・評価

おまえの罪を自白しろ(2023年製作の映画)
3.5
学生の頃に真保裕一作品を読み漁っていた影響もあり、彼の原作ということで楽しみにしていた一作だけど、良くも悪くも地上波のドラマクオリティーだった。
さして、深みもなく展開される会話劇。
登場人物たちの関係性が深堀りされていっても「あ〜そうなんだ」と冷めた感情になってしまう。
とはいえ、“つまらない”というわけでもなく、話の構成や役者陣はしっかり形になっているが…どこか薄っぺらい。

その主な理由は政治シーンを中途半端に絡めてしまったから。
政治家一家の話なので仕方ないとはいえ、メインの題材に据えてしまった弊害が顕著。
見せ方や演出の問題も大きいかな。
中島健人や堤真一の熱を帯びた芝居とは裏腹に気持ちは下降線。
題材を活かしつつ、凝った物語を調和させるのは難易度が高いようだ。

犯人も意外と言えば意外だったが、道中からして若干冷め気味のため…大きな感情の変動もなく淡々とエンドロールへ。
あ、エンディングに流れるB'zは良かったよ。
ちなみにこの日はハロウィン間近。
鑑賞回はレイト・ショーだったので、劇場の外へ一歩出ると、渋谷は大騒ぎ。
警察の物々しい規制と仮装パーティー軍のサンドウィッチにより、余韻はすべて吹き飛んでしまいました。
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