大都市バンコクに上京した主人公青年が味わう都市生活の悲喜こもごもを、
独特の極彩色とコメディタッチで描いています。
雰囲気が中島哲也作品に通じるところがあるかも。
万人向け娯楽として、ベッタベタなギャグを折り込みながらも、
あり得ない非日常を日常に融和させていく、
マジックリアリズム?的手法は面白く感じました。
複数のストーリーをつないでいくセンスはなかなかのもの。
テーマとしては、ごくありがちなもので、
普段見過ごしがちなことに光を当てたり、
静かに深く考えさせたりということはまったくなく、
ただひたすらわかりやすい象徴的で表層的なものの寄せ集めになっていて、
特別心に残るものがないような気がします。
タイ映画を見るのは初めてで、
そういう意味で十分興味深くはあったのですが。