DelayMan

ドキュメント サニーデイ・サービスのDelayManのレビュー・感想・評価

4.0
結成30年を超えるバンド サニーデイサービスのドキュメンタリー
バンドメンバー、盟友、関係者、後輩らの証言を元に結成〜解散〜メンバーの死〜再結成〜現在をディスコグラフィーと共にライブ映像を交えながら振り返っていく

サニーデイを知ったのは再結成ライブとなったライジングサンなので、それ以前のヒストリーは特に知らない部分が多くて特に面白かった
はっぴいえんどやフリッパーズよりも先に自分はサニーデイを聴き始めたので、過去作から追いかけた時は本当に衝撃だったし影響元や影響を受けたバンドも含めて大好きなバンドになっていった

今のサニーデイは日本屈指のライブバンドだと思うので、結成当時はライブに自信がなく やりたがらなかったというのは特に意外だった
バンド解散後の曽我部さんの弾き語り武者修行や曽我部恵一BANDによって今のような強靭なパフォーマンスになっていったのも納得した
そこに晴茂さんとはタイプが全く違う一回り歳下のドラマー大工原さんの加入で、再びスリーピースに戻り 今のような燃え尽きるようなパフォーマンスをする新たなバンドとして生まれ変わった

パンデミックによりツアーが中止になり、金銭面でもダメージを受ける中で新たに立ち上げたカレー屋に立ち、ライブの機材は自分達で片付けてバンで移動する
自分が行ったソロライブでは1人で自ら物販に立って客とコミュニケーションを取っている姿に本当に感銘を受けた
コロナ禍で開催されたフジロックでも他のアーティストがMCで様々な考えを述べる中、曽我部さんは一言だけ「よく来たね」と 自分にとっては1番響くメッセージだったのをよく覚えている
映画内でも言っていた、普通のアーティストは見せたくないかもしれない姿を見せられるのがいまのサニーデイのステージングや曽我部さんの弾き語りに還元される強さなんだというのが凄く映像からも伝わってきた

特にツアーリハで曽我部さんが田中さんに鬼気迫る様子で要求する部分が印象的
中学からの仲であり今でも共にバンドを続ける2人を絶対に離してはいけない手綱なんじゃないかとex.シャムキャツ夏目さんが言っていたのが伝わるシーンでもあった

テロップが出たり、社内での1:1でのインタビュー、小泉今日子のナレーションなどカンパニー松尾監督独特の演出も良かった

数々の経験を超えていまが全盛期とも思わせてくれるサニーデイをリアルタイムで追えていることを誇りに思えるようなそんなドキュメンタリー
終わり方の演出もバンドドキュメンタリーとして最高
サニーデイサービスが大好き
この映画を観て心からそう思える
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