このバンドのことが大好きだ。だからこそこのドキュメンタリーに関しては、凄く好きな作品になるか、逆にとにかく気に食わないかどちらかになるだろうと思っていた。
結果、凄く好きな作品だった。というより驚くほど最高の作品だ。
曽我部恵一はカッコ悪いところを見せることを厭わない。
生き様そのものをこれだけ晒すことが出来る人間ってどれだけいるんだろう。
誰かが指摘していたように、燃え尽きようとしているようにも見える。
今が一番いいと思いながら、未来を見据える。コロナ時に金勘定をやめてしまった、カレー屋で働いた方が足しになると語る姿は象徴的だ。
サニーデイサービスの、曽我部恵一のライブはハズレがない。ただ、演奏や歌の音程的なことで言えば、調子の悪い日はザラにある。ただ、曽我部恵一はいつだってフルパワーだ。だからハズレがない。
人が本気で物事に向き合う姿を見せてくれることが、こんなにも観客を勇気づけ、そして感動させる。
ところで、彼のライブでのMCは胡散臭い。どうにも上っ面のように聞こえてしまうのだ。でもだからこそ信用出来る。取り繕うのが下手なのだろう。今作を観て、より確信した。