リプリー

ミンナのウタのリプリーのレビュー・感想・評価

ミンナのウタ(2023年製作の映画)
4.0
色々な人からの「怖い!」という評判を聞きつけ鑑賞。

確かにこれは評判の良さは分かる。
というかやっぱり清水崇監督デキるじゃん!と多くの人が謎の上から目線で思っただろう。

とあるカセットテープに録音された歌を聞いたと思しき人物の様子がおかしくなり、一人またひとりと姿を消していく。そして、その謎に迫る。
シンプルでありながら、確かなキャッチーさを持つプロット。
そこから繰り広げられる恐怖シーンが一つひとつ確実に怖いのだ。
予告編で流れ話題になったホテルの廊下のシーンは言わずもがな、白眉は「呪怨 白い老女」の冒頭にある“繰り返す異常”かと思いきや想像を超える気持ち悪さを見せるシーン。これには、劇場が一瞬騒然となっていた。さらに、ストーリーとしても大きなツイストがあり「ミンナのウタ」の意味が分かる部分にはたまらない高揚感があった。

劇場は、若い男女を中心にほぼ満席。アニメ映画ばかりでなく、この手のホラーをワーキャー楽しむムーブがあるのは本当に喜ばしいところ。
当然、GENERATIONSファンも多くいたと思う。僕の隣りにいた中学生らしき女性二人組はまさにそれといった感じで、恐怖シーン直前で手で顔を隠すなど非常に可愛らしい一面を見せつつ、ファンサービスであるシーンで明らかにアガっており、アイドル映画としても良くできていたのかな、などと門外漢として思った。ただ、あるメンバーのシャワーシーンが映るとクスクス笑っており、あれは照れ笑いなのか、あのメンバーが脱ぐキャラなのか分からないなど、そういう楽しみ方ができない自分がちょっと悔しくもあった。門外漢といえば、開始早々にメンバー紹介をしてくれる丁寧さはいい。ファンから見れば劇中キャラへのキャスティングは納得なのだろうか。

最後に蛇足。カセットテープ題材ということで、有名な“実話怪談(コンサートのあれです)”も盛り込まれているのだが、それを明かすときに「昭和世代」とディスるのってどうなの?と思いつつ。GENERATIONSのメンバーも令和というほど若くはないでしょうに。