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ミンナのウタのSSDDのレビュー・感想・評価

ミンナのウタ(2023年製作の映画)
3.6
◼︎概要
ラジオのスタッフが倉庫整理を行なっているとリスナーからの手紙にカセットテープがあることに気づく、パーソナリティをしていた男性はそれを見ていたが、特に気にせずに収録を開始。リスナーとの電話でカセットを聞いたか問われ、通話が切れた。その日からカセットを手に取った二人の消息がわからなくなる…。

◼︎感想(ネタバレなし)
前情報なしに観たらアイドルグループ起用してるからファン向け映画なのか…と嫌な感じはしたが、しっかりとしたJホラーだった。

所々で使われる曲だけ音が大きくなる演出で、興が覚めるのはある。しかし、マキタスポーツがしっかり物語を引っ張り上げ、クラシカルなホラーながらもツイストありの斬新な物語は引き込まれた。

呪怨的ホラーと男性アイドルユニットは相性がいいとは言えないものの、ホラーの屋台骨がしっかりしている分、見応えはありました。

マキタスポーツさんの安定のとぼけたおっさん演技やっぱりいいですね。
ユニットのファンってだけで観るとしっかりホラーだから結構面食らいそうな作品でした。










◼︎感想(ネタバレあり)
・今や一周回って新しいカセットテープ
"昭和世代出たよ"というように逆再生での不気味な意味を成す言葉が聞こえてくるシーン、B面再生などもはや自分の世代でもギリギリという内容で隠された狂気が出てくるのはなかなかいい着眼点でした。

・狂気の先
小さな一軒家の元凶が良かったですし、周りの住人達が喋りたがらないのは普段からとしおなどを死後も目撃してるからではないだろうか。
魂の歌の収集…猫の描写は音だけでよかったエンドロール後にやってないですよとはいうものの心が抉れる…。

母親の虐待から、魂のこもった歌というのが断末魔や最後の息を録音することという悪癖になるほど壊れていったというのもなかなか良かった。
明らかに母親は首を吊っている娘を理解しながらコードを引いていたように見えるし、そもそも母親がどこまで狂っていたのだろう。

・理不尽系ホラーのくせに
バンバン消えるから戻ってくるのかなと少し思おいましたが、まさか戻ってきてコンサートできました!は興醒め…コンサートシーンは絶賛スキップ。
しっかり鼻歌コンサート会場で響かせる悪あがきでグットエンドで納得しない層にも納得させようとしてました。

マネージャーだけ戻ってきてあと戻らないパターンの方が好みです。聴いたら終わりの鼻歌という理不尽ホラーなんだから…。

それでも最後にコンサート会場の人間まで大規模に巻き込んで飲み込むためのサナの布石でした!というなら最後誰もいなくなったコンサート会場見せて終わって欲しかったですね。

最後のコンセント口から出してるシーンはもう少し怖く演出して欲しかったですし、本作怖くはなかったですがクラシカルで相変わらず怪異は時空を越える演出は好きでした。
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