幽斎

ウイルス・キャリア 保菌者の幽斎のレビュー・感想・評価

3.0
C級スリラー(ホラー)をレビューする、Scavengerシリーズ第29界。原題「Night Sweats」寝汗?(笑)。スウェットは皆さんよく着るアレですが、「s」が付いてるのでアメリカ英語で冷や汗から派生、不安、心配とも言う。AmazonPrimeVideoで0円鑑賞。

TVムービーでは無くアメリカでしっかり劇場公開された長編映画。と言ってもAndrew Lyman-Clarke監督が制作と脚本を兼ねる自主製作。彼のFacebookを見ると主に短編映画の編集や技術スタッフとして働く。皆さんは短編映画でどうやって飯食ってるの?、思うだろうが大抵の方はサイドビジネス、本作の監督の様に本業が別に有ったり、地元にスポンサーが居る等多種多彩。有名監督の殆どが短編出身なので無暗に侮れない。

監督は勿論、キャストも日本では全く無名揃い。邦題のウイルスキャリアとは、病原性ウイルスを体内に持続的に所持、症状を呈さない健康な人。キャリアは「運ぶヒト」。保菌者とは無症候性キャリアなので、大事な事なので2度言ったかな(笑)。2019年制作なので、COVIDを予見した様にも見えるバイオロジック・スリラー。

パッと見は80年代のSF的な雰囲気で、如何せん自主制作なのでセットや衣装はお察しですが、脚本的にはアマプラ謎映画の割には悪くない仕上がり。インディーズはプロットが命なので、観客に分かり易く伝わるサジェスチョンが重要だが、冗長で100分をあと20分切り詰めれば良かった感は今後の課題だが、スカベンジャーの中では楽しめる範囲。多くのクラウドファンディングで創られた事がエンドロールで忍ばれる。

日本人の4割は慢性的な頭痛持ちと言われるが「吐き気を伴う頭痛」は、死に至る緊急性を伴う。一番多いのは「脳卒中」主な原因は動脈硬化ですが、海外の食事や水で寄生虫に依る脳感染症も在り得るので、直ぐに救急車を呼んで下さい。感染と言っても観客が想定したモノとは別の方向に進むが、嘔吐物はノロウイルスの様に家庭でも簡単に感染源に為る程厄介なので素人は触らないのが鉄則だが、防護服を着た人が普通に行動する姿はCOVID社会を経験した私達から見れば違和感しかない。

COVIDが収束したかに見えるご時世ですが、肝心の本作の感染経路も狂牛病→AIDS→梅毒の変種。日本でも梅毒が流行の兆しで、海外から一人が持ち込めば感染ルートは追跡不能に拡散する。本作は過去のレイプへの復讐だが、彼女だけ血清を持つ意味までは描かれない。演じたMary Elaine Ramseyはスカベンジャーでは十分美人だが、やはりスピーシーズはNatasha Henstridgeクラスで無いと決得力に欠ける。キモイはアメリカ英語でfreakと言いますが、ゲロを触った手で洗いもせずお菓子を食べるのはマジひくわ(笑)。

「Bitch」男遊びが好きで性的な尻軽女。設定や脚本は悪くないので暇潰しに為るかも。
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