幽斎

パラノイア 暴走祖母の幽斎のレビュー・感想・評価

パラノイア 暴走祖母(2020年製作の映画)
3.0
C級スリラー(ホラー)をレビューする、Scavengerシリーズ第30界。原題「Deranged Granny」錯乱したオバちゃん、実にソノ通りで御座います(笑)。AmazonPrimeVideoで0円鑑賞。

制作はIMŌTOと言う謎会社でTV Movieを手掛ける新規参入組。発音が鳥取出身のお笑い芸人っぽいが、レーティングはTV-14、プライム・タイムに放送。アマプラ謎映画の割には新しい2020年製作。配信では「Grandma Dearest」大切なオバちゃんに改題。サイコパスは徐々に本性を現すが、パラノイアはスイッチがONに成るとアクセル全開でレビュー済「アオラレ」顔負けの暴走。「嫁」「奥さん」「家内」。アメリカで配偶者を呼ぶ時は「妻」Wife一択。「刑事コロンボ」ウチのかみさんがねぇ、秀逸な翻訳だと思う。

Jennifer Liaoはアジア系アメリカ人女性監督、本来はコメディが得意。主演Wendie Malickは1950年生まれの73歳!ソウは見えん。TV Seriesで有名なベテラン女優。長編映画はIsla Fisher主演「お買いもの中毒な私!」。シングルマザー役、Amanda Righettiは40歳、ソウは見えん(笑)。「13日の金曜日」リブート版とかキャリア豊富な女優。

「暴走祖母」が「アオラレ」匹敵するナイス(←語彙力(笑)な邦題。「パラノイア」Paranoiaも的確な表現、日本語では偏執病。スリラーの定番サイコパスとの違いは「特定の妄想」以外は何の異常もない症状、統合失調症で括った方が分かり易い。Amazonに「何でもイイから配信用の作品を見付けて来い!」無理難題を吹っ掛けられる日本のトランスワールドアソシエイツも、偶に良い仕事をする。

私はアラサーの独身だが結婚する時、相手が再婚で、在る程度の年齢の子供に「情」が湧くのかは今は分らない。パラノイアが何を求めて孫に執着するかは描かれないが、所有物と見做すのか、自分を好きに為ってくれれば良いのか、着地点がスリラー的に不鮮明だが、感情の熱量は凄い。新たな障害物は嫁では無く、子供の親権を持つ元父親にターゲットが絞られる。

女性が人を殺す場合、ミステリーの世界で一番お薦めなのは毒殺。力を使わず確実に死に至らしめるが、どう毒を盛るかが焦点。手っ取り早いのは食事に混ぜる。有名な「和歌山毒物カレー事件」ヒ素、「紀州のドン・ファン死亡事件」覚醒剤。私のお薦めはカインズで誰でも買える殺鼠剤(笑)。アメリカでは親権者と定期的に過ごす権利が与えられる。本作も一カ月の半分は元父親の家で過ごすが、ソコでパラノイアの成敗が始まる。私のマンションの下に住むお年寄り(要注意人物)、近くのドラッグストアでCOVID初期にマスクを買い占め出禁に為った。老人の暴走は若者より遥かに怖い事は間違いない。

ラストシーンでパラノイアの本質が見える、ソレは見てのお楽しみで暇潰しに為るかも。
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