てっちゃん

食人族4Kリマスター無修正完全版のてっちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
4Kでやる?しかも無修正?それは観に行かないといかんでしょ!と思っていたので、劇場2日目に必死な形相をして駆けつけました。

想像はしていたけども、濃ゆい客層がたくさんいらっしゃって、食人族環境ばっちりのなかで鑑賞しました。

とある方に本作を劇場で観ませんか?と、お誘いしたところ、いいですよとの返答。
へーこういうの興味あるんだと意外に思いつつ、なかなかスケジュールが合わなくて1人鑑賞になった後日に感想を語っていると、どうやらその方は"職人族"と勘違いしていたようで、さまざまな職人たちが紹介されるような作品だと思っていたよう。
確かにそれはそれで面白そうだなと思いました。

さてさて、感想の方を書いていきます。

本作を劇場で観て良かったなと思いましたね。
大自然の迫力を大画面で観れるということ、かのリズ・オルトラーニ大先生の音楽を大音量で堪能できること、本作の真骨頂である残虐シーンが拝めるということは期待しておりまして、それはそれは目一杯に楽しむことができた訳です。

でも劇場で観るからこそのいいことを再発見することができました。
それは作品に没頭することができるということ。
おそらく自宅鑑賞だと、本作における感想は変わっていたのではないかというほどに、本作は没入型作品であります。

作品に関することは、本作上映に併せて作成されたパンフを見ると、それはそれは充実しておりますので必須アイテムではないでしょうか。

しかも敬愛する高橋ヨシキさんも寄稿されており(劇場配布ポストカードデザイン!)、ヨシキさんのかねてからの食人族愛を語っていたことを知っていたこともあり、こうして作品を愛している人がきちんとその愛を伝えているってところがすごく好きだなと思ったんですよね。

そんなヨシキさん、柳下毅一郎さん、てらさわホークさんがやられているYouTubeチャンネル"BLACKHOLE"にて本作が取り上げられているので、ぜひ視聴することをおすすめしたいです。
とても勉強になることばかりで必見です。

さてさて、私は本作を鑑賞して画面から伝わるエネルギーに圧倒されっ放しだったんです。
それはモキュメンタリーってのもあるんだろうけど、この世界のどこかではこうしたことがあるのかもしれないと思ったりしたのもあるのだけど、この時代だからこその"下品さ"がある。

"下品さ"と敢えて言ったけども、今の時代では表現できないような描写があるのは言うまでもない。
だけどもそれは"下品さ"の表面的なものにすぎない。

私の感じた"下品さ"は、「もっと見せて下さいよ」ということ。
本作の特徴として、4人の若者の結末を知ったうえで物語が進んでいくのだけど、そのやり方が上手いんです。

見ていくにつれて、次はどうなるんだろう?とか、うわこんなの無理だわ、と思ったりと野次馬視線で鑑賞していることに気づきます。
人は残虐なもの、グロいもの、エロいものを本来は興味があるというとは皆さんも薄々お気づきかと思う。

こんな作品けしからん!と思いながらも、見てしまう、興味を持ってしまう、あわよくば面白いと感じてしまう。
これこそが"下品さ"の正体ではないでしょうか。

満ち満ちたエネルギーと"下品さ"を纏いながら、今なお私のような人間を魅了してしまう作品であるところが本物であり、伝説的な作品となる理由ではないでしょうかね。
てっちゃん

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