ぶみ

オクス駅お化けのぶみのレビュー・感想・評価

オクス駅お化け(2022年製作の映画)
3.0
あなたの近くにも、いるかもしれない。

都市伝説を題材とした短編漫画を、チョン・ヨンギ監督、キム・ボラ主演により映像化した韓国、日本製作のホラー。
地下鉄オクス駅で起きた人身事故を取材する記者が、不可解な出来事に巻き込まれていく姿を描く。
主人公となるウェブニュース記者・ナヨンをボラ、駅で働くナヨンのボーイフレンド・ウウォンをキム・ジェヒョンが演じているほか、謎の女性・テヒとしてシン・ソユルが登場。
物語は、オクス駅の地下にある廃駅で回送列車による人身事故が発生、かつそこにこどもがいたと言う目撃証言がある不可解なシチュエーションでスタートするため、鉄道好きな私としては、これだけでテンション爆上がり。
オクス駅自体が架空ではなく、実際にソウルの中心にあり、地下の廃駅も実在するとのことであるため、同じく都市伝説を映像化した永江二朗監督『きさらぎ駅』とは異なり、一層リアリティ溢れる設定となっている。
以降、黒髪が印象的で往年の浅野温子にソックリなテヒが物語の鍵を握りつつ、謎の数字が登場することによるミステリ要素や、事件の真相に挑もうとするナヨンとウウォンの周りで怪死が次々と巻き起こるホラーとして展開し、その内容は、数々のホラー作品を世に送り出してきた高橋洋や、先日観た『戦慄怪奇ファイル コワスギ!』シリーズの白石晃士等が脚本を担当しているとのことからか、非常に馴染みやすいもの。
また、どうでも良いところだが、日本のトイレは個室の場合、ドアが開いているのが基本であるため、どこが使用中なのか一目でわかるのに対し、韓国の駅のトイレは基本ドアが閉まっているというのも、文化の違いか。
邦題は、お化けをつけたが故にチープさが漂うため、単に『オクス駅』で良かったような気がするものの、地下にある使われなくなった廃駅という、それだけでゾクゾクするようなシチュエーションをベースに、韓国ホラーのクオリティと、Jホラーのわかりやすさをミックスさせたハイブリッドホラーとして悪くなく、純粋な日本版を作るなら、ナヨンを夏菜、ウウォンを横浜流星、そしてテヒは流石に浅野温子は厳しいので三浦透子でどうかと思う一作。

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