ぶみ

MY (K)NIGHT マイ・ナイトのぶみのレビュー・感想・評価

MY (K)NIGHT マイ・ナイト(2023年製作の映画)
4.0
あなたを満たしたい。

中川龍太郎監督、脚本、川村壱馬、RIKU、吉野北人主演による群像劇。
デートセラピストである三人が、それぞれ出会う女性との一夜を描く。
主人公となるデートセラピスト・刹那を川村、イチヤをRIKU、刻を吉野、刹那と出会う高校教師の灯を穂志もえか、イチヤと出会うインスタグラマーのmiyupoを夏子、刻と出会う主婦の沙都子を安達祐実が演じているほか、坂井真紀、村上淳等が登場。
物語は、村上演じるオーナーが経営するデートセラピスト派遣会社「MY KNIGHT」で働く三人が、同じホテルのレストランで、それぞれの顧客と出会うシーンでスタート、以降三組が横浜で過ごす一夜が描かれるのだが、デートセラピストとは、要はデートしてくれる王子様のような男性のこと。
当然の如く、灯、miyupo、沙都子がセラピストを依頼する目的は違うため、三者三様の展開となるのだが、恥ずかしながら、主演となる川村、RIKU、吉野は初見であり、先日観た清水崇監督『ミンナのウタ』で主演を務めたGENERATIONS同様、三人がTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEなるグループのメンバーだと本作品で初めて知った次第。
そのため、途中まで、川村をずっと岩田剛典に似ているなと思っていたし、そもそもランペイジと言えば、ブラッド・ペイトン監督『ランペイジ 巨獣大乱闘』を真っ先に思い出した私にとっては、特に誰かに思い入れがあるわけではないことから、フラットな状況で観ることができたところ。
そして、肝心の内容はと言えば、なかなかどうして、アーティストのPRムービーに近いのかと思いきや、確かに主演三人の魅力が存分に伝わってくるものではあるものの、繊細な心情を表現するのが得意な中川監督らしく、それぞれの物語を手抜きすることなく、カメラのピントや光の使い方が特徴的な作り込まれたな映像で描き出しており、群像劇としてもしっかり楽しめる仕上がりとなっている。
そんな中でも、最近観る邦画で登場シーンは少ない反面、クセ強めな役を演じて存在感を放っている戸田昌宏が、本作品でも登場し、見事なバイプレイヤーぶりを発揮していたのは見逃せないポイント。
先日観た、私のワースト作品、中島央監督『TOKYO , I LOVE YOU』が東京を舞台としたオムニバスという、似たような設定だったのだが、本作品とのレベルは雲泥の差であり、実は中島監督は、本当はこのような作品を撮りたかったのではと感じた次第。
夜と騎士をかけたタイトルからしてオシャレ感満載であり、映像もそんな雰囲気抜群なので、前述のようにアーティストのPRムービーだと侮るなかれ、ドラマとして、そして群像劇として見どころは多く、オシャレ映像に酔いしれることができる反面、観客が女性で溢れるなか、おじさん一人で観るのは少々勇気がいった良作。

世界を救ってこい。
ぶみ

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