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MY (K)NIGHT マイ・ナイトのぴとのレビュー・感想・評価

MY (K)NIGHT マイ・ナイト(2023年製作の映画)
4.0
一夜限りの他人だからこそ話せる本音はあると思う。飾らない自分をさらけ出せる相手は案外初対面の人かもしれないと思ってみたり。最初と最後がリンクする構成は、やはり好き。3つの物語が織りなす1つの物語、短い時間ながら綺麗にまとまっていた。

安達祐実×吉野北人
どこか二人の日常を切り取ったような、自然なシーンが盛り沢山だった。安達祐実の含みをもたせた表情から、刻とやりたいことが見つかったあとの表情の変化が至高。沙都子さんにとっての刻は彼女が理想とするはみ出し方を体現した人だったのかもしれない。

川村壱馬×穂志もえか
辛かったな…。親に縛られて生きてきた灯と親を捨てた刹那、分かち合うところと分かり合えないところ、二人の想いの微妙な齟齬が母のことを分かる、会うきっかけになる。そこまでの描き方が切なくも、刹那の温かさや人となりが伝わる良いシーンだった。

RIKU×夏子
過去を封じた者、着飾る者。miyupoの奔放な歩みに振り回されながらも、イチヤは封じた過去を、miyupoは忘れていた幼い頃夢中になったものを、取り戻して表現者×表現者だからこそのシーンがとても印象的だった。最後の二人の空間は、あの二人だからこそ成り立つものだと思う。

三者三様で、デートセラピスト側である男性3人についての深堀りがなくとも職務を全うする中で見えてくるそれぞれの想いや過去が程よい感じに含んだまま終わるの、嫌いじゃない。個人的には川村壱馬×穂志もえかのストーリーが好みだった。坂井真紀さんと村上淳さんの安心感たるや…。
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