Breminger

セフレの品格(プライド) 決意のBremingerのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

前作が予想以上の面白さで、速攻で2部作目も観ることを決定し、鑑賞してきました。

もっとドロドロになるのかなと思いましたが、後味は意外にも爽やかな感じで、思っていたのとは違いましたが、結構楽しめました。役者陣の好演が光り輝いていました。

ストーリーは前作の続きで、セフレという関係性でお互いの関係を取り持っている抄子と一樹、そんな一樹の家を訪ねると見知らぬ少女がいて…。そして同時進行で抄子を気にかけてくれる清掃員は実はボクサーで…。となんだか入り乱れる様相が感じ取れる始まりになっていました。

なんてったって高石あかりさんが超魅力的。今年に入って「わたしの幸せな結婚」での高飛車お嬢様、「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」での無邪気な殺し屋、「Single8」での王道ヒロインと演技の幅を開拓しまくっていましたが、今作はこれまでの集大成に、か弱い部分を加えて更に凄いことになっていました。
親からDVを受けており、自傷癖もあり、性格にも難のある難しい役どころをこれまた自然に演じきっており、本当にすごい女優さんだなと改めて思いました。役の年相応の美しい笑顔がこれまたハートを撃ち抜いていきました。

石橋侑大さんは今作で初めて見ましたが、真っ直ぐな性格のボクサー役がピッタリはまってるなと思いました。ボクサーの体つきもバチバチのシックスパックで良かったですし、ジャブのキレも抜群でした。熱血!って感じのキャラですが、場所によってしっかりと対応するキャラになっていたので好印象です。このままボクサー映画で主演に抜擢してほしいくらいです。

行平あい佳さんと青柳翔さんの演技もまた最高です。セフレとして体を重ねた分、思うところが増えて悶々としている感じがビシビシ伝わってきてとても良かったです。今作では2人のベタベタがかなり減ったので寂しかったんですが、終盤は割とイチャイチャしてくれるのでなんだか嬉しかったです。

前作+αで登場人物が増えているので、登場頻度のバランスが曖昧になっているなとおもいました。
前作では人間味があふれていた栗山が、今作での出番が減っているのは仕方ないと思うんですが、ただ嫌味を言うだけな奴になっていたのは勿体ないなーと思いました。華江もちょろっと出てきて匂わせな事言って出番がピタッと無くなるのもなんだか惜しかったです。娘は恋多すぎるやろって頻度で彼氏取っ替えまくってて笑いました。

後編では意外とぶっ飛んだ要素が多くて、特に一樹が咲の親権を1000万円で譲り受けた場面でした。医療関係に就いているのでそりゃお金はあるんだろうけど、そんな事してたら次同じケースが出た場合どうするんだ?と心の広さに色々と心配になりました。フィクションなのであーだこーだ言う筋合いは無いんですが、結構リアルにありそうな描写をし続けていただけに、急に斜め上の展開に行ったので呆気を取られてしまいました。それぞれの行動が突飛的なのも尺的な問題だと思うんで仕方ないと思うんですが、惜しいなと思いました。

ドロドロの恋愛群像劇を期待して観にいった身としては、こんなにも後味がスッキリしている作品になっているとは思いませんでした。2部作通してしっかりまとまっていましたし、とても面白いのでオススメです。
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