レインウォッチャー

セフレの品格(プライド) 決意のレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

3.5
前章『初恋』に続く後半。
みんな大好き『ベビわる』の禰豆子(混線)こと髙石あかりさんが参戦!!したことで、ヌル甘かった(決して悪くない意味で)前章から比してドロドラマティックな重さと緊張感がもたらされた。

その一方、ストーリーとしてはよくある起承転結のゴールに向けて畳みに行ったという感じもあって、おもしろくも難しい、なんて思ったりもする。
ていうか、この『決意』編においてはセフレがどうこうをさっぱり越えて、せくしー人情譚みたいな構えになっている。堂々たる。ラストの解決なんてもはや落語であり、思わず「いよッ」とか言いそうになったぜ。

そんな中、祥子(行平あい佳)の自然な魅力とそれを支える演出力は健在。中でも好きなのは、やっぱり職場で誤って捨てられた書類を探してゴミさらいする場面だろうか。
年下の青年ボクサー猛(⽯橋侑⼤)との出会いイベントでもありつつ、ちょっとした非日常の時間を共有したときの「●●ハイ」的な、何にでも笑い転げてた頃に精神年齢が若返ったような盛り上がりをしっかり表情と夕方の光で捉えて、2人の距離がぐっと縮まる様をキュートに描いている。なんかここだけでもじゅうぶん「観て良かった」って思えたかもしれない。

ところで、この『セフプラ』2部作を観終えて、城定秀夫監督に是非お願いしたいことがございます。
二宮ひかる氏の漫画を映像化していただけないでしょうか…

特に『ナイーヴ』か『ハネムーンサラダ』、大人のセンチメンタル恋愛の知る人ぞ知る(?)傑作でございます。連載はヤングアニマル(青年誌)ながら、『セフプラ』と同じようなレディコミ感もあり。
誰がわかるねんって話かもしれませんけれど、今作を観ていてずっと彼女の漫画を思い出してた。そういえば件の『ナイーヴ』にも、主人公がイレギュラーな顧客対応で完徹ハイになるみたいな展開があった気がするな。