このレビューはネタバレを含みます
第2次世界大戦末期のフィンランドを舞台に、不死身の老兵とナチス戦車隊の死闘を描いた痛快バイオレンスアクション。
タイトルの「SISU(シス)」とはフィンランドの言葉で、日本語への正確な翻訳は難しいが、すべての希望が失われたときに現れるという、不屈の精神のような意味合いを持つ。
これは舐めてた相手が殺人マシーンでした系の映画。
ランボーからの影響もあるそう。
しかしながら自分としては楽しめない映画でした。
ソ連兵に家族を殺され、ソ連兵を絶対殺すマンになった主人公。
人としての心を無くしているのかと思いきや犬と馬は愛すマン。
何故ナチス殺すマンになったのか?
ナチスの村焼き払いや地雷置きまくりの非道ぶりが直接の原因でなく、愛馬の殺害でも愛犬の危機でも無く、集めた金(ゴールド)を取られた事でSISU魂が発動。
映画の冒頭で主人公が金(ゴールド)を探し当て大げさなリアクションを演出した割には主人公が金(ゴールド)に執着している意味が明らかにされないので、大切さが伝わらないし、何故そこまで諦めないのか、意味が分からない。
ランボーもベトナム戦争のトラウマで泣きじゃくり、マッコールさんも強迫神経症的な振舞いや亡き妻の愛読書を読んで精神バランスをとるなど、その苦しみを描写することで共感を覚え、可愛いげが生まれます。
今作ではその描写が無いので、彼の苦しみが分からず、共感もできません。
結果として金(ゴールド)を取られてキレた頑固一徹おじさんにしか見えないのです。
可愛いくありません。
もちろん良いところもありました。
犬がカワイイ。
女性たちが見せるSISU魂。
地雷を使った殺戮アクション。
傷を自分で治す痛い描写。
など。
ラストのラストで主人公が銀行で金(ゴールド)をお札に換金します。
結局、お金の為に殺しまくっていたの?
んで、劇中で初めて喋ったセリフが上手くないギャグ?
最後まで可愛いげが見つけられませんでした。