ゆかちん

SISU/シス 不死身の男のゆかちんのレビュー・感想・評価

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
3.0
全ての希望が失われた時に現れるSISUーー。

SISUって、翻訳が難しい言葉らしい。
日本でいう大和魂みたいな、フィンランド魂みたいなことなのかな。

フィンランドは元々自然環境が厳しく、
スウェーデン等に統治されたり、
果ては大国ロシアと隣接してるために
歴史的にも多くの危機に直面してきた。
そんな逆境を生き抜き、逆境から立ち直る逞しさ…ということなのかな。
「折れない心」「不屈の精神」という感じなのかなぁ。

「不屈の精神」を煮詰めまくった作品やった笑。
でも、歴史的にそういうスピリッツがあるというのを考えるとなるほど〜となった。

世界一幸せな国フィンランド。
メタル大国でもあるし、中々興味深いよね。



あ、映画自体は「舐めてたヤツがめちゃ強だった」作品てことで、すごかったw
ほんまに死なない!
でも、無双というより、死なないって感じ。

そして、主人公ほぼセリフなしw

結構グロ描写あり。
バイオレンスアクションやけど、途中、ホラーかなって思った笑。



1944年、ソ連に侵攻されナチスドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。
老兵アアタミ・コルピは、戦争から遠のこうと、掘り当てた金塊を隠し持ち、愛犬ウッコとともに凍てつく荒野を旅していた。
やがて彼はブルーノ・ヘルドルフ中尉率いるナチスの戦車隊に遭遇し金塊と命を狙われるが、実はアアタミはかつて精鋭部隊の一員として名を馳せた伝説の兵士だったーーー。



アアタミは使い古したツルハシ1本と不屈の精神を武器に、次々と敵を血祭りにあげていく…。

アアタミは家族をソ連兵に殺されたことで、その復讐に燃え、フィンランド軍部でも止められない殺りくマシーンとなって放たれ、300人以上の敵兵を殺害したという男性。

実際、1939年のフィンランド冬戦争では、ソ連兵524人を葬り「白い死神」と恐れられ、瀕死の重傷を負いながらも生き抜き、96歳の天寿を全うした実在の狙撃兵シモ・ヘイヘという人がいるらしく。その人をモデルにしているというか着想したのだろうか。

彼の伝説を語るナチスの捕虜となったフィンランド女性が、「彼から奪うと死が待っている」みたいなことを言ってたのが気になってたら。
ラストのアアタミのセリフを聞いて、「あ、ほんまに単に自分の大切なものを奪ったやつを皆殺しにしてただけなんや」みたいにストンとした笑。
女性たちを助けたのも、フィンランドのためとか正義のためとかというより、自分のものを取り返すために闘う中でたまたま女性たちを助けたってことなんや、て笑。
なんか思わず笑ってもうた笑。

よく考えたら、確かに、金塊奪われるまでは大人しかったもんね。
めっっちゃシンプル。

しかし、本当に死なない。
めちゃ強いのは強いんやけど、無双というより、死なないって感じ。
だから、めちゃ殴られるし傷つけられるし、死んでもおかしくないことされる。
…のに諦めないし、死なない笑。

ツルハシでミッションインポッシブルばりの飛行機しがみつきとか、飛行機墜落してるのに生きてるとか、それはないやろ〜wみたいなツッコミ所は沢山あったけど笑。
まあそれもご愛嬌ということか。。

地雷原とか、首吊り対策とか、湖?の中の闘いとか、カーアクションガンアクション、ナイフやツルハシ、色んなものがありました。
90分くらいでまとめてるのはとても良かった。

湖のところはナチスモブ兵からしたらホラーかパニック映画やんな、、、。

あと、囚われてた女性陣が逆襲するのも今風でよかったね笑。

てか、ほんと、主人公が一言も喋らない。
他の人たちも最小限のセリフだから、表情と「マ」でそのときの状況を伝えてくるのも興味深かった。
そして、それだけにシュールさもある。

最後の最後にようやく喋る主人公。
犬さんが無事でよかったよかった。

フィンランド、旅行に行ってからとても好きな国なんやけど、映画もおもろいね!
ゆかちん

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