おふとん

SISU/シス 不死身の男のおふとんのレビュー・感想・評価

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
3.5
第二次世界大戦末期のフィンランドを舞台に伝説の傭兵とナチス兵の闘いを描く。

いや、めちゃくちゃ変な映画でした。
いわゆる舐めてたジジイが殺人マシーンでした系映画なんですが、何とも言えない味わいがある。

まず主人公のジジイが登場した時にすでにボロボロでくたびれている。
フィンランドが舞台なので、てっきり敵はロシアなのかと思いきや、敵はナチスドイツというのもよくわからない。
しかもこの出てくるナチス兵も何か全体的に薄汚れててくたびれてる。
しかもこのナチスドイツの将校の目的はあくまで主人公のジジイがもってる金塊を奪うという何ともせこいものであって、そこに戦争の大義だとかいうものは一切無い。
主人公は主人公で、どうやら家族をロシア兵に殺されたということはわかるのですが、それ以外のバックボーンが一切わからない。
逃げればいいのにわざわざナチスに向かっていくところは狂気を感じる。
要するに完全に八つ当たりである。

何というか戦争映画というより、戦争がすでに終わったところで死に場所を失った亡霊たちが勝手に戦ってるような不思議な作品。

仰々しい音楽やタイトルバックはギャグなのか真面目なのかよくわからない。
ただ、最後に捕虜の女性たちが立ち上がるところは妙なカタルシスがありました。

犬は死なないので安心して下さい(ただし馬と人間は爆発四散する)
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