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SISU/シス 不死身の男のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ナチスの戦車隊と1人で戦う、老兵の話。

戦車を従えたナチスvs馬に乗った老人。
このあり得ない状況を映像化した時点で、この映画の勝利は決まったものでしょう。
逃げる馬に大砲をブチ込んだり、地雷原で馬が木っ端微塵になったりと、ブッ飛んだ展開の連続には度肝を抜かれましたよ。

そして、どう考えても「これは無理!」という状況を、主人公アアタミが常人離れした発想で切り抜けていくのが、本作の見所となる部分。
どれもケレンミ重視で、予想の斜め上を行くアイディアが提示されるのですが、これが馬鹿馬鹿しくも面白い。
地雷をピンポイントで投げつけたり、水中で殺した人間から酸素を得たり、足に釘を差し込んで首吊りを浮かしたり…。
リアリティーこそないものの、アイディアが面白すぎるので、見ている最中は気になりませんでした。

後半になると、逃げ一辺倒だったアアタミの反撃が始まるわけですが、女性奴隷達を解放&共闘していく展開がこれまた熱くさせます。
間接的に復讐するのではなく、女性達が武器を手にして殺すのも痛快で、思わずガッツポーズをしてしまいましたよ。笑
最後の戦いくらいは、もうちょっとカッコ良い殺しを見たかった気もしましたが、ナチス兵には間抜けな死に方が徹底されてる辺りも、メッセージが込められているのかもしれません。

監督によると、『ランボー』にインスピレーションを受けたとの事ですが、個人的には『マッドマックス』を想起したかな。
台詞を削ってアクションだけで見せる構成、逃亡劇から追走劇への反復、フェミニズム的なテーマなど、『怒りのデス・ロード』にかなり近いものを感じました。
あとは、「舐めてた相手が殺人マシーンでした映画」の系譜としては、『ジョン・ウィック』なども連想されますし、これらのアクション映画が好きな人ならば、本作もお気に入りの作品になる事でしょう。
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