ななみん

私の頭の中の消しゴムのななみんのネタバレレビュー・内容・結末

私の頭の中の消しゴム(2004年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

何となく韓国映画や韓ドラを避けてきた人生でしたが、、、母からのオススメ、ネットの評判などで観てみました。

最初はなかなか話に入り込めず、途中で断念してしまいましたが、やっぱり結末が気になりもう一度トライ。後半はボロボロ泣いて鼻水も止まりませんでした。感動でした。

どの映画を観るにも、自分に例えたらどうだろうという観点で観てしまうのですが… こんなにも切なく悲しい気持ちになるとは。胸が締め付けられました。


失恋してどん底の時に彼とコンビニで出会う。そこから、話は進み… 結婚まで行きます。将来2人の家を立てようと、彼が一生懸命考え行動してくれます。その裏で、彼女が家に帰る道すら忘れてしまうようになりました。彼には言わず、一人病院へ行き、検査結果を聞きその日から毎日1人で泣く。


後日チョルス(彼)が病院に行き、スジン(彼女)の病名を聞かされるも「正気か?誤診じゃないのか!!」と手を出しかける…。そこに止めに入った看護師さんに「先生も同じ病気で奥さんを亡くしているんです」と言われ、全てを受け入れるチョルス……。きっと、生活している内に病気には薄々気づいていたとは思いますが、改めて医師から、しかも「アルツハイマー病」だなんて…信じられないし、信じたくないですよね。

病気が分かってから毎日1人で泣いてたスジン。
病気が進行してからはチョルスが1人泣く日々。

「僕の顔を見ながら、別の男の名前を呼び愛してると言った」 それでも、笑顔で「俺も」と答える優しいチョルス。裏では1人で泣く。

自分の事も忘れられつつあるけど、相手の親の反対を押し切り、一緒に暮らし続け、優しく愛し続ける。

でも病気は残酷で、彼女はどんどん彼の事を忘れていってしまう。
そんな中スジンは、彼が仕事に出てる間に1人で彼の部屋へ。不意に、出会った時の事から全てを鮮明に思い出す。

ボロボロ泣きながら書いた手紙を残し居なくなる。
《私はあなたを愛してる。私が覚えているのはあなただけ。私の心の中にずっと残っている。私の心の全てを伝えたいけど、記憶が確かなこの時間にどう伝えたらいいのか…焦ってしまう。あなたは天がくれた1番の大切な贈り物。あなたに出会えたのは人生で1番の幸せ》

この手紙を帰ってきてから読み、大泣きするチョルス。このシーンから涙が止まらなくなりました。

居なくなってから1人での生活。チョルスの元に急に手紙が届く。
「突然思い出したの。」と綴り、彼の幸せを願う手紙。そして「妻だったから良く知ってる」という言葉にも、涙が止まらず。

この手紙に居ても立ってもいられず、送り先まで逢いに行く。そこは施設でした。

久しぶりの再会、スジンが手に持つスケッチブックには、スジンが書いたチョルスの似顔絵が沢山……。それでもやっぱり本人を目の前にすると誰だか分からず。でも、匂いだけはどこかで…と思い出すスジンに、思わず涙こぼれるチョルス。

悲しい涙だったのか、嬉しい涙だったのかは分かりませんが…、私だったら匂いだけでも覚えてくれていたことに嬉しく思い号泣します…(T_T)

その後、外出の許しを得て、出会った場所・思い出のコンビニへ一緒に行く。

そこには、家族や友達、みんなが居る。
ここは天国?と大喜びする、ずっと変わらない無邪気で可愛い笑顔。

最後、今まで絶対に言わなかった、言えなかった「愛してる」を言ってくれた彼チョルス。 その瞬間、満面の笑みで抱きつくシーンが本当に最高でした。

「忘れる」「忘れられる」って本当に辛いです。
でも、思い出せなくても、思い出して貰えなくても、心の中には必ず残っている。本当に、悲しくて切なかったけど素敵なお話でした。

〜許しとは心の部屋を一つあけること〜
ななみん

ななみん