ぶみ

ヒッチハイクのぶみのレビュー・感想・評価

ヒッチハイク(2023年製作の映画)
3.0
その車には、絶対に乗ってはいけない。

山田雅史監督、大倉空人主演によるホラー。
山道でヒッチハイクをした若者が巻き込まれる戦慄の体験を描く。
主人公となる青年・健を大倉、彼とともにヒッチハイクする友人・和也を平野宏周、同様に山道に迷いヒッチハイクする女子大生二人組を中村守里、高鶴桃羽、彼らを乗せる一家を川﨑麻世、速水今日子、結城こと乃、結城さと花、保田泰志、ドライブインの店長を細田善彦が演じており、登場人物はほぼ以上。
物語は、冒頭、道に迷った中村と高鶴演じる女子大生二人組が、ヒッチハイクをして、キャンピングカーに乗るシーンでスタート、以降、同様に同じキャンピングカーに乗る健と和也のエピソードについても、同時並行で描かれるスタイルで展開し、要はヒッチハイクしたら、運転手がヤバいやつだったという、タイトルから想像されるとおりの内容。
主人公等は、ヒッチハイクによりキャンピングカー専用シャーシであるトヨタ・カムロードをベースとしたキャンピングカー社によるキャンピングカー、ロビンソン106に乗り込むこととなるのだが、運転している川﨑演じる一家の主を始め、乗車しているのは一筋縄ではいかない面々ばかり。
そんな一家を筆頭に、人気のない山道、寂れたドライブイン、怪しげな晩餐と、ホラーとしての雰囲気は抜群。
そんな中でも、その一家の名前がジョージというのには、笑うしかない。
都市伝説の映像化という点では、昨年公開の永江二朗監督『きさらぎ駅』と同様であり、脚本も同じ宮本武史であることから、シリーズ第二弾とも言える内容なのだが、そのチープ感といい、正直よくわからない結末といい、監督は違えど似たテイストの仕上がりとなっている。
間違っても傑作とは言えないが、70年代のアメリカB級ホラーを模したような設定は、それだけでテンションが上がるものであり、B級だと理解したうえで観るのならば、それなりに楽しむことができるとともに、エンドロールの短さが、一番ビックリであった愛すべき珍作。

ジョージです、で、妻のジョセフィーヌ。
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