風車男ハリヲ

ヒッチハイクの風車男ハリヲのレビュー・感想・評価

ヒッチハイク(2023年製作の映画)
1.2
『きさらぎ駅』のヒットに味を占めたか、ネット怪談の映像化が最近多いですね。本作も洒落怖で有名な作品のひとつ。
ぶっちゃけ全く面白くない。『きさらぎ駅』は原作の要素を取り入れつつ、“異世界脱出RTA”の大胆なアレンジが功を奏して楽しめたものの、本作ではただ原作を薄めて引き延ばしただけの印象。上映時間74分と一般的な長編映画と比較して短いはずだが、観ている間はかなり苦痛だった。製作側がホラーというものをまるで理解できていない疑いがある。カメラワーク、演出、俳優の演技に至るまで何もかもダメダメだった。殺人一家の陽気さが最大のネックで、狂気と呼ぶには平凡すぎるし、これでどう怖がれと……? 例外として、不愛想な大男はホラーキャラらしい演技をしていて、そこだけが救いだった。あと本筋とは無関係だけど、店主さん声小さすぎてセリフ聞き取れない。
そもそも原作が大して怖くないのが低評価の一因ではあるが、あれはあれで友人のナチュラルなサイコ具合が一番怖いという楽しみ方ができたので、映画でそれが再現されなかったのは残念。