HiromiA

釜石ラーメン物語のHiromiAのレビュー・感想・評価

釜石ラーメン物語(2022年製作の映画)
3.5
 釜石の食の記憶は中村屋ぐらいでラーメンは食べた記憶がない。製鉄所で働く人のためにまたせず提供できるラーメンが発祥というのは面白かった。確かに浜の人たちは気が短いので待たせちゃダメなんだろうなあ。震災時の津波でたくさんの人が行方不明になり遺体も見つからず気持ちの整理がつかない人たちもまだまだいるんだろうことを再認識させられました。家族が前を向いて進める様、行方不明者の死亡宣言をするというのはかなり心に負担が生じるのでしょう。たとえ死亡宣言をしても帰ってくるのではないかという一縷の希望は持ち続けるんだなあ。そのために居所を移さず店舗営業を継続しているという人たちもたくさんいるのかな。そんな思いがなんだか伝わってきました。しかし故人への思いのすれ違いから家族の不協和音が生じた剛志一家が再び一つになれたのはよかったんだけど、正実の自己中と早とちりは喜劇の人物設定なのでしょうがかなり引いてしまいました。でも、これを食べれば当時が蘇るというような食べ物がある人がうらやましかった。今関監督と釜石の接点が何なのかはわからなかったけど、結構釜石愛に溢れていました。不器用だけど頑張っている仲良が可愛く見えてしまいました。
HiromiA

HiromiA