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カンダハル 突破せよのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

任務中に正体をバラされてしまう、CIA工作員の話。

スパイにとって最も避けたいの事の1つである、身バレ。
それが外国での作戦中に起ってしまう…という絶望的な展開にはワクワクさせられるものがありました。

「ここからノンストップのサスペンスが始まるんだろうな」と期待していたのですが、意外と簡単に街から脱出。
その後も車で移動したり、休憩したり、助けてくれる人もいたりで、わりと平穏な時間が多いのでガッカリしちゃいましたね。
次から次へと追っ手が追いかけてきたり、町の至るところに監視の目があったりと、そういう息をつく暇も与えない逃亡劇を見たかったのですが…。

あとは、敵役として中東の武装勢力が複数登場するものの、その数があまりに多く、誰が誰だかよく分からないのも問題点。
これが中東の現実なのかもしれませんが、映画として見易いかは別問題だし、登場させる組織は1つに絞って、敵キャラを掘り下げた方が良かった気がします。
そもそも、CIAの作戦も「そこまでやる必要ある?」という感じで、アメリカが正義という感じもしなかったし、主人公のジェラバトも正義感のあるキャラクターではないので、イマイチ応援し難いのも辛いところでした。

リック・ローマン・ウォー監督の前作『グリーンランドー地球最後の2日間ー』も、期待を煽られたわりには尻つぼみになっていく作品でしたが、本作もまた似たような印象を受けます。
最初にハッタリをかましつつも、予算内で手堅くまとめ上げるのが、彼の作家性なんですかね?
兎にも角にも、似た様な作品が2つ続いてしまったので、今後この座組で作られる作品には疑いの目を向けざるを得ないでしょう。
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