MitsuhiroTani

カンダハル 突破せよのMitsuhiroTaniのネタバレレビュー・内容・結末

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

大勢の人をひたすら殺しながら、家族や娘や娘の待つ場所へ帰る。単純に言えば、そういう映画。対等にいがみ合うイデオロギーや宗教、民族の対立よりもタチが悪い。 

昔の映画、地獄の黙示録で、アメリカ軍の第一騎兵師団が、サーフィンしたいが為にベトコンの基地を、ヘリから機関銃やナパーム弾で襲撃するシーンがある。ワルキューレの騎行が流れる名シーンだ。
あれはあれで怖かったが、米兵の狂気として見せつけており、自虐的である意味納得感があった。
本作のクライマックスの爆撃には、そんな狂気すらなく、ヒロイズムに塗れて反吐が出そうだった。中東の人々を虫けらにしか考えていないのだろうな。

長年、英国史や中東史を研究していると、こうした英米の染みついたスタンスには懐疑的になってしまう。
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