ポンコツ娘萌え萌え同盟

祖国の人々のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

祖国の人々(1915年製作の映画)
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『トア』『私の父は正しかった』の台詞量で完全に脳疲労状態で、『祖国の人々』はサイレントらしいし、まあいけるやろと思ったらギトリのコメントつき。
本作はフランスの天才芸術家の生きた姿を映した記録映像であり、それにギトリの長い紹介が付随する。モネ、ルノワール、ロスタンなど現代でかなりもよく聞く錚々たる人物が画面の面前に生きていたり驚く。それに付随する紹介は芸術家のエピソード。

残念なことに私は芸術の鑑賞眼は皆無。が、芸術家の体を成すのは、個人の中にある認識、価値観、経験の三体に基づいた上に在るとは思う。
芸術の血と肉になり、自らの持つ世界を超えていく。
芸術の下敷きを明確に表すのがエピソードである。エピソードは経験そのものであり、芸術家の価値観と認識が表出しやすい。だから芸術を見る時、芸術家のエピソードを添えることで意図を汲み取りやすくなる"助けには"なるだろう。

本作のギトリが語る芸術家へのコメントや、芸術家を映像の中の生きる姿を見た上で、今後の作品に向き合う角度は少なからずは影響に出るのは間違いない。
実際某所でルノワールの尻と胸の逸話を聞いてから彼の作品を見るときに肉体を重視するようになる過去も個人的に存在する。
ただ、エピソードや姿を見て考慮し芸術を鑑賞するのは必ずしも善であるとは思わない。
芸術家以前に作品は純然と存在し、芸術家どころか表現者か鑑賞者やも個々とした認識、価値観、経験を含有する。つまり個人によってまた捉える角度が異なる。
勿論作品の尊重は重要ですが、作品をそのまま自分の観点で受けるのも重要だと思う